横溝正史(日1902〜1981)
1902年5月24日、神戸に生まれ、1921年に雑誌「新青年」の懸賞募集に「恐ろしき四月馬鹿」が入選し、それが処女作とされる。
その後実家で働いたりしたが、1924年に江戸川乱歩の招きに応じて上京して博文館入社し、1927年に「新青年」編集長に就任、さらに「文芸倶楽部」など他の雑誌の編集にも携わり、その傍らで創作活動を行った。
1932年から作家専業となるが、その後肺結核が悪化し一時期長野県で療養、また戦時中は軍によって探偵小説が退廃的とされ創作活動が制限されたために、人形佐七捕物帳などで糊口を凌いだ。
横溝はこの戦時中の期間に多くのトリックの構想を暖め、欧米の探偵小説に負けない作品を執筆したいと考えていたようで、戦後に軍の呪縛から解き放たれると「本陣殺人事件」を発表し第1回探偵作家クラブ賞(現推理作家協会賞)を受賞。これを皮切りに「獄門島」「犬神家の一族」「八つ墓村」など後世に残る名作を矢継ぎ早に発表した。
やがて社会派と呼ばれる作品群が台頭すると横溝には再び不遇の時代となった。1970年代に入り角川書店社長角川春樹(当時)が横溝作品を大々的に宣伝し、さらに1976年に角川春樹事務所製作の映画「犬神家の一族」(市川崑監督、石坂浩二主演)が大ヒットして世に横溝ブームが起こる。
作品は爆発的に売れ、映画やテレビドラマなどで映像化されヒットした。横溝はこれを機に再び創作活動を再開し「悪霊島」「病院坂の首縊りの家」などを発表し、晩年まで探偵小説に対する意欲が衰えることはなかった。
また作品の雰囲気は現在の新本格作家の多くが手本とするところで、横溝ブームがなければ、これほどの新本格作家が世に出なかったとも言われている。1981年12月28日に病没した。

本陣殺人事件再読改訂しました。日本家屋での密室、三本指の男などカーの雰囲気を醸し出した好篇。「車井戸はなぜ軋る」ほかを併載。
犬神家の一族再読改訂しました。横溝作品の中でも一、ニを争う知名度の作品で、角川春樹によって映画化されたことでも有名。
獄門島再読改訂しました。瀬戸内海に浮ぶ獄門島で起きる連続殺人を描く名作。
女王蜂…名作群に続く本格長篇。
スペードの女王…顔のない死体へのこだわり。
夜歩く…露悪的だが、しっかりしたトリック。
悪魔が来りて笛を吹く…斜陽階級となった没落華族の間に起る惨劇。
迷路の花嫁…金田一耕助がほとんど表面に出ない異色作。
三つ首塔…官能色の強い通俗サスペンス風味の作品。
悪魔の百唇譜…相次いで車のトランクから見つかった男女の死体の裏には…
幽霊男…猟奇的な通俗ミステリ。
吸血蛾…ファッション業界を舞台とした通俗ミステリ。
悪魔の手毬唄…古くから伝わる手毬唄になぞらえて起る連続殺人。
迷路荘の惨劇…富士の裾野の迷路荘で起こる連続殺人。
夜の黒豹…短篇を長篇化した通俗ミステリ。
仮面舞踏会…いったん中絶した連載を、10数年後に完結した大作。
不死蝶…保守的な村で対立する2つの旧家が舞台の長篇「不死蝶」と中篇「人面瘡」の2篇。
びっくり箱殺人事件…ノンシリーズの「びっくり箱殺人事件」と「蜃気楼島の情熱」の2篇。
死神の矢…美しき令嬢を巡る殺人を描く「死神の矢」と短篇「蝙蝠と蛞蝓」の2篇。
貸しボート十三号…表題作ほか「湖泥」「堕ちたる天女」の3中篇。
人面瘡…表題作ほか「睡れる花嫁」「湖泥」「蜃気楼島の情熱」「蝙蝠と蛞蝓」の金田一もの5篇。
殺人鬼…表題作ほか「黒蘭姫」「香水心中」「百日紅の下にて」の金田一もの4篇。。
支那扇の女…夢遊病の女を巡る事件を描く「支那扇の女」と短篇「女の決闘」の金田一もの2篇。
扉の影の女…銀座の夜の殺人事件を描く「扉の影の女」と短篇「鏡が浦の殺人」の金田一もの2篇。
毒の矢…緑ヶ丘での2つの事件、「毒の矢」と短篇「黒い翼」の金田一もの2篇。
魔女の暦…短篇を長編化した「魔女の暦」と中篇「火の十字架」の金田一もの2篇。
壺中美人…短篇を長編化した「壺中美人」と中篇「廃園の鬼」の金田一もの2篇。
死仮面…幻の金田一長篇「死仮面」と最後の横溝作品「上海氏の蒐集品」の2篇。
悪魔の降誕祭…「悪魔の降誕祭」「女怪」「霧の山荘」の金田一もの3篇。
七つの仮面…「七つの仮面」「猫館」「雌蛭」「日時計の中の女」「猟奇の始末書」「蝙蝠男」「薔薇の別荘」の金田一もの7篇。
幽霊座…「幽霊座」「鴉」「トランプ台上の首」の金田一もの3篇。
花園の悪魔…「花園の悪魔」「蝋美人」「生ける死仮面」「首」の金田一もの4篇
呪いの塔…昭和7年初版の横溝正史初の書下ろし長篇。
夜光虫…昭和11年、忍び寄る軍靴に抵抗するかのように絢爛たる世界が広がる。
悪魔の設計図…「悪魔の設計図」「石膏美人」「獣人」の由利麟太郎もの3篇。
花髑髏…「白蝋変化」「焙烙の刑」「花髑髏」の由利麟太郎もの3篇。
蝶々殺人事件…「蝶々殺人事件」「蜘蛛と百合」「薔薇と鬱金香」の由利麟太郎もの3篇。
憑かれた女…「憑かれた女」「首吊り船」の由利麟太郎もの2篇と「幽霊騎手」の全3篇。
幻の女…「幻の女」「カルメンの死」の由利麟太郎もの2篇と「猿と死美人」の全3篇。
塙侯爵一家…「塙侯爵一家」「孔雀夫人」の戦前のノンシリーズ2篇。
殺人暦…「恐怖の映画」「殺人暦」「女王蜂」「死の部屋」「三通の手紙」「九時の女」の戦前のノンシリーズ6篇。
双仮面…「双仮面」「鸚鵡を飼う女」「盲目の犬」の由利麟太郎もの全3篇。
仮面劇場…由利麟太郎ものの長篇「仮面劇場」と三津木俊助が活躍する「猫と蝋人形」「白蝋少年」の全3篇。
芙蓉屋敷の秘密…「芙蓉屋敷の秘密」「富籤紳士」「生首事件」「幽霊嬢」「寄せ木細工の家」「舜吉の綱渡り」「三本の毛髪」「腕輪」の全8篇。
双生児は囁く…「汁粉屋の娘」「三年の命」「空家の怪死体」「怪犯人」「蟹」「心」「双生児は囁く」の全7篇。
刺青された男く…戦後初の短篇「神楽太夫」や表題作など、昭和21年の作品全10篇。
怪獣男爵…小山田慎吾博士がゴリラ男爵と対決する少年小説。
夜光怪人…「夜光怪人」「謎の五十銭銀貨」「花びらの秘密」のジョブナイル3篇。
まぼろしの怪人…まぼろしの怪人対探偵小僧&敏腕新聞記者。
幽霊鉄仮面…隠された大金鉱を狙う鉄仮面対由利麟太郎。
迷宮の扉…「迷宮の扉」「片耳の男」「動かぬ時計」のジョブナイル3篇。
仮面城…「仮面城」「悪魔の画像」「ビーナスの星」「怪盗どくろ指紋」のジョブナイル4篇。
金色の魔術師…金田一耕助の一番弟子立花滋VS金色の魔術師。
白蝋仮面…「白蝋仮面」「バラの怪盗」「蛍の光事件」のジョブナイル3篇。
黄金の指紋…金田一耕助が活躍するジョブナイルもの。
大迷宮…横溝ジョブナイルの最高傑作との呼び声が高い作品。

人形佐七捕物帳は、捕物世界をご覧ください。


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