S.S.ヴァン・ダイン(米、1888〜1939)
本名をウィラード・ハンティントン・ライトという美術評論家で、入院したときに英国ミステリを読み始め、2年間の入院生活中に2千冊のミステリを読んだという。
退院後に欠点だらけのミステリが版を重ねているのを見て、自身でもミステリを書き始め、3作分のシノプシスを編集者に見せたところ、出版の話が進み覆面作家としてデビューした。
第1作の「ベンスン殺人事件」は初版がたちまち売り切れるほど大評判となり、ミステリを生んだ国でありながら後が続かず英国にミステリ王国の座を譲っていた米国の久々の新星となった。
12作の長篇を発表し、題名は第11作の「グレイシー・アレン殺人事件」を除き「The+六文字の単語+Murder Case」で統一され、全てに探偵ファイロ・ヴァンスが活躍する。
ヴァン・ダインは一人の作家が読むに耐えるミステリを書けるのは6作が限度であると言ったといわれ、自分も6作しか書かない予定だったらしい。しかし、出版社の要請で結局12作を執筆した。だが、自分が公言したとおり前半6作は水準点以上の作品といわれるが、後半6作の評価はかなり劣る。
ノックスの「探偵小説十戒」と並ぶミステリの最低限のルールを定めた「推理小説作法の二十則」の提唱でも有名だが、英米では忘れられた作家となっている。

ベンスン殺人事件…デビュー作。ウォール街の株式仲買人ベンスンの射殺事件を説くファイロ・ヴァンス。
カナリア殺人事件…密室、アリバイ、ポーカーゲームでの心理分析と盛り沢山の話題作だが…
グリーン家殺人事件…「僧正殺人事件」とともに最高作と評される。大都会の真ん中の古邸で起きる雪の日の殺人…
僧正殺人事件…マザーグースの童謡どおりに起る見立て殺人。元祖見立て殺人の記念碑的な作品で、古典的な名作。
カブト虫殺人事件…ニューヨークの街中にあるエジプト博物館で起きた事件は、復讐の女神の仕業なのか…
ケンネル殺人事件…密室殺人事件の鍵を握るのはスコッチテリア?
ドラゴン殺人事件…ニューヨークの邸宅のプールに飛び込んだ青年が、そのまま忽然と消えてしまった。
カシノ殺人事件…毒殺されたはずの被害者からは、なぜか毒物が検出されなかった。

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