高木彬光(日1920〜1995)
終戦直後の1948年「刺青殺人事件」でデビューし、1949年の第二長編「能面殺人事件」で1950年の探偵作家クラブ長篇賞を受賞。
「刺青殺人事件」「能面殺人事件」をはじめ、トリッキーな本格ものを書いていたが、その後トリックに行き詰まりを感じたのか、おりからの社会派の台頭もあって「白昼の死角」など社会問題を中心に据えた作品や「破壊裁判」などの法廷ものを発表した。
また、1958年の「成吉思汗の秘密」はベッドで歴史的な謎を推理するという作品で、その後「邪馬台国の秘密」なども発表している。後年になると再び本格ものに回帰、1988年の「仮面よ、さらば」を最後に引退した。
高木が推理作家になったきっかけは占いによるもの。終戦直後の生活が苦しいなかで易者に手相を見てもらったところ、小説を書くことを勧められて藁半紙に書いたのが350枚ほどの長篇「刺青殺人事件」。だが、書いてはみたものの雑誌社からはのきなみ掲載を断られ、再び易者に相談。易者は高名な人物に原稿を見せよとつげ、高木はなんと江戸川乱歩に原稿を送ったという。
乱歩は、一読して感心し自ら労をとって雑誌宝石の別冊に掲載されるように計らった。ちなみに渋る雑誌側を説得する際に乱歩は、売れなかった場合は私費で補填するとまで言ったそうである。幸いに「刺青殺人事件」は好評で、占いどおりにその後は専業作家となり、数々の作品を発表した。
探偵役は金田一耕介、明智小五郎と並び称される天才型の神津恭介のほか、私立探偵大前田英策、正体不明の墨野朧人、社会派作品では検事霧島三郎など。

刺青殺人事件…著者のデビュー作、日本家屋での密室殺人。「闇に開く窓」併載。
能面殺人事件…第二長編で、密室などを扱う本格もの。「第三の解答」「大鴉」併載。
呪縛の家…山中の村にある落ちぶれた新興宗教の総本山でおこる密室殺人。
魔弾の射手…新聞連載の神津もので、雪の密室が登場。
火車と死者…熊本地方に伝わる火車伝説をもとに起きる連続殺人事件。
白妖鬼…白妖鬼と名乗る人物による連続殺人事件に挑む神津恭介。
人形はなぜ殺される…高木の最高傑作に推す人も多い。「罪なき罪人」「蛇の環」併載。
わが一高時代の犯罪…傑作中篇の表題作ほか神津恭介ものの中短篇5篇。
白雪姫…表題作ほか神津恭介ものの中短篇7篇。
妖婦の宿…第1回探偵作家クラブ新年例会の犯人当てゲームの出題「妖婦の宿」など4中短篇。
死を開く扉…四次元の世界を信じる男が密室で殺された。
白魔の歌…白魔と名乗る復讐鬼が引退した名警部の命を狙う…
狐の密室…神津恭介と大前田英策のコラボで事件は新興宗教がらみの密室殺人。
首を買う女…表題作ほか神津恭介ものの短篇7篇。
悪魔の嘲笑…弁護士を騙る男が新聞社の応接で毒殺された…
死美人劇場…表題作ほか神津恭介ものの短篇8篇。
死神の座…軽井沢での連続殺人事件は、死神の座として恐れられるさそり座の祟りなのか…
七福神殺人事件…神津恭介最後の事件。
成吉思汗の秘密…神津恭介が義経、ジンギスカン同一人説の謎に挑戦。
邪馬台国の秘密…神津恭介が邪馬台国の謎を探る歴史ミステリ第2弾。
古代天皇の秘密…神津恭介が古代天皇の謎に迫る歴史ミステリ第3弾。
黄金の鍵…オルツィの隅の老人を意識した墨野隴人シリーズ第1作。
一、二、三―死…オルツィの隅の老人を意識した墨野隴人シリーズ第2作。
大東京四谷怪談…オルツィの隅の老人を意識した墨野隴人シリーズ第3作。
現代夜討曽我…オルツィの隅の老人を意識した墨野隴人シリーズ第4作。
邪教の神…表題作ほか神津恭介ものの短篇4篇。
二十三歳の赤ん坊…表題作ほか私立探偵大前田英策ものの短篇6篇。


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