算数・国語・理科・殺人

日本有数の資産家で渋川地所社長の渋川康次には、先妻との間に2人の子供がいた。姉の久美子は中学1年、弟の洋一は小学5年で、姉弟には軽井沢純子という家庭教師がついていた。純子もまた上流階級の出で、2人の子供は純子によくなつき、父親の康次が純子と再婚してくれることを望んでいたし、康次の純子に好意を持っていた。
一方、康次の個人秘書敷島則子は康次とかつて体の関係があったことをネタにして康次に結婚を迫った。もちろん康次の財産が目当てで、結婚しなければ過去のことをマスコミにバラすと脅していたし、純子を目の敵にしていた。
また、もうひとり康次の妻の座を狙う女性がいた。純子の前任の家庭教師水沢るりこで、こちらも康次の財産が目当てだった。則子と同じく、結婚しなければ体の関係があったことを公表すると康次を脅していたし、純子を目の敵にもしていた。
こんな状況の中、康次は一人で悩んでいたが、純子は久美子と洋一を連れて、サイパンにバカンスに行った。1日遅れて悩める康次が合流する予定だったが、その朝プールで遊ぶ3人の目の前にいきなり死体が現れた。
ホテルのプールが営業を始めたばかりの時間で、プールには従業員と純子たち3人しかいなかった。そこにウォータースライダーから死体が文字通りスライドして、3人の目の前に落ちてきたのだ。
奇妙なことに死体は冬物のスーツを着ており、喉を何回も刺されていた。後でわかったことだが、喉の刺し傷は7か所もあった。死体の身許は高井智也という24歳の塾の講師で、敷島則子の娘美加の家庭教師だった。
それから数か月、また渋川家の周辺で事件が起きた。軽井沢の別荘のテニスコートで殺人事件が起きたのだ。被害者は喪服をきちんと着て、久美子のテニスのラケットを握ってテニスコートで絞殺されていたのだった。
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