トリック狂殺人事件

警視庁捜査一課の烏丸ひろみ刑事のもとに、トリック卿と名乗る人物から手紙が届いた。うそつき荘で行われるゲームへの招待状だった。そのゲームとは、3つの問題に答えることで、1問正解すれば1億円、さらに最後に特別問題が出され、その賞金が3億円だった。
参加者はひろみを入れて7名、いずれも各界の著名人が参加し、ひろみは中立な立場で審判役を求められていた。参加するのはいずれも名うてのうそつきで、その中にトリック卿もいるというのだ。集合は翌日の夜7時過ぎ、長野駅に着く特急に乗車し、ホームで待つことだった。
トリック卿は手紙を信用させるために、無造作に支度金として100万円を同封していた。ひろみは上司の財津警部の許可を取り、休暇を取って長野に向かった。そこに集まったのは野党の国会議員利光太郎、鹿取製薬社長鹿取昭造、若手恋愛小説作家伊吹圭、市民平和団体事務局長池田正子、テレビで人気の心霊術師蓮見サマーナ、女優の三条晴香の面々。
7人は案内人の外国人の運転する車で2時間ほど運ばれ、雪の中にたたずむうそつき荘に着いた。そこはお世辞にも綺麗とは言えない、2階建ての古びた和風建築だった。そして時間指定で広間に集まった人々に、録音したトリック卿の声が語りかけた。
ゲームは殺人ゲームで、これから3人の人物が殺され、その度ごとに問題がでるというのだ。動揺したり怒ったりの7人だったが、トリック卿の話が終わるか終らないうちに、大きな音とともにうそつき荘が沈み始め、雪の中にうずもれてしまったのだった。そして最初の殺人が起きた。参加者の一人が氷詰の死体となって見つかったのだ。トリック卿の問題は、いかにして被害者は氷の柩に閉じ込められたか…
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