名探偵は密航中

昭和5年7月、横浜港から豪華客船「箱根丸」がロンドンに向けて出航した。ところが出航早々に殺人事件の容疑者が乗船しているとわかり大捕物が発生し、それがケチのつき始か以後も事件が次々と起る…

「殺人者出帆」…横浜市内のローラースケート場で全裸の男の死体が発見された。男はローラースケート場の従業員だが、金に汚く、義理を欠き、喧嘩っ早く、女にだらしないという誰からも嫌われていた人物。前夜も酒を飲んであちこちでトラブルを起こしていた。目撃証言から警察はスケート場のオーナーの息子を容疑者と断定して行方を追ったが、その男はセイロンに向うために箱根丸に乗り込んでいた。箱根丸の次の寄港地神戸に連絡が行き、さっそく船上で大捕物が始まった…

「お嬢様乗船」…箱根丸に乗ってロンドンの夫のもとに向う山之内男爵家の令嬢初子。ところが初子は山之内家でのお姫様生活を嫌って上海、香港と船からの逃亡を図った…

「猫は航海中」…一等船客池澤二郎は、シンガポール停泊中に上陸して珍しく賭博に大勝。酒を飲み、ポケットを札束いっぱいにしていい気分で箱根丸に戻った。船室のドアを開けた途端に後頭部を強打され、そのままあの世へ。池澤の死体はシンガポール出港後に発見され、次の寄港地ペナンで現地の日本人会の協力で葬儀が行わた…

「名探偵は密航中」…セイロンのコロンボで新たな船客となった俵と田口という2人の若い男。この2人が山之内初子と初子の親友岡本裕子と親しくなった。ただし相手を想えば、想った相手は別な相手を想うという四角関係。コロンボを出港するころには初子と裕子は顔すら合わせないほどの険悪な仲に…

「幽霊船出現」…世界一暑い海といわれる紅海。あまりの暑さに耐えかねて4人の男女は怪談話を始めた。その怪談がどうも現実味を帯びてきて…

「船上の悪女」…地中海に入った箱根丸にナポリから乗り込んだ親子。この11歳の男の子が大のイタズラ好きで、この子のイタズラで船内はパニック状態に。ところがある日、この男の子が睡眠薬を飲みすぎて階段から落ち意識不明の状態に。男の子が書いていた日記をふとした偶然で手に入れた看護婦がそれを読んでみると…

「別れの汽笛」…いよいよあさってはロンドンに到着という日の夜、金持ち女の主催で仮想パーティーが開かれた。そのパーティーの最中に停電がおき、停電が復旧すると壁には判読不能の文字が書かれていた…
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