古書店アゼリアの死体

神奈川県の太平洋に沿った架空の町葉崎市の海岸に、バカヤローと叫ぶためにやって来た相澤真琴。海に向って叫んでいると、波間に漂う死体を発見し、警察に通報した。
ところが葉崎警察署では被害者は特定できず、捜査は早くも暗礁に乗り上げた格好。しかも事故、自殺、他殺のどれとも決めかねていた。そのために真琴も葉崎のホテルに滞在を余儀なくされた。
やがて被害者は若殿と呼ばれた、地元の名門前田一族の秀春らしいということになった。秀春の伯母の前田満知子が死体を確認して秀春と認めた。
だが葉崎警察署の駒持、五木原の両刑事は満知子の証言に不審を抱く。満知子は前田一族の資産をバックに葉崎の経済界を牛耳る実力者。
一方、秀春は12年前の高校生当時に行方不明になった人間で、その行方不明の原因を作ったのは満知子であった。満知子が秀春の母親を前田家から追い出したのだった。
満知子は秀春の失踪から7年たって死亡宣告を出そうとしたが、満知子の叔母の紅子が強硬に反対し、現在でも死亡宣告が成されずにいた。
最近、満知子の経営する会社の資金繰りが厳しく、喉から手が出るほど金が欲しい満知子が、遺産を手に入れようとして死体を秀春と証言したと刑事たちは考えた。

そのころ死体発見者の真琴は夜の葉崎の街に食事に出た。街の中心にあるJR葉崎駅、その近くに歩けば5分ほどで終わってしまう、葉崎東銀座商店街があった。
その中ほどにある古書店アゼリアはロマンス専門の古書店で、店主は満知子の叔母の紅子。アゼリアに入った真琴は、自分もロマンス好きなこともあって紅子と意気投合。 病院に検査入院するという紅子に留守番を持ちかけられ引き受けてしまう。
翌日、紅子が病院に入るとそれを待っていたようにアゼリアに泥棒が入ったり、死体が現れたり…どうも泥棒事件も新たな死体も秀春らしい水死体と関わりがありそうだった。
島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -