学園祭の悪魔

私が初めて安藤直樹と会ったのは、高校3年の秋の学園祭だった。その年、私のクラスはフランクフルトの売店を出し、ちょうど私が店番をしているときに安藤が買いに来たのだった。
安藤は大学生で、陰気な暗い感じの人だったが、私と同じクラスの穂波留美の恋人だった。穂波留美は物静かで暗い感じで、私とはまったく正反対の子で、それまでほとんど口をきいたこともなかった。
その留美に大学生の恋人がいたとは驚きだった。しかもその翌日、留美と安藤がラブホテルに入るのを私は見てしまった。私は悔しさで一杯だった。私は恋人もおらず、未だにバージンだというのに、あの陰気な留美がという思いだった。
聞けば安藤は名探偵なのだという。しかも連続して起きている妙子バラバラ殺人事件の犯人を知っているというのだ。妙子バラバラ殺人事件というのは、世間をにぎわしている猟奇事件だった。
妙子という名の若い女性が那覇と金沢で連続して殺され、しかも死体はバラバラにされていたのだ。安藤によれば、犯人は安藤の同級生らしかったが、証拠もなく居所もわからないのだという。
しかし安藤は本当に名探偵なのだろうか。私は自分の住む町内で起きている事件の相談をしてみた。こちらは犬の連続殺しで、犬の死体はすべてバラバラのされ、臓器の一部が持ち去られるという、ある意味で猟奇的な事件だった。
安藤は私の話を聞くと、犯人像がほぼ描けたらしく、罠をかけるという。そしてその囮として私の愛犬力丸を使うというのだ。
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