芙路魅

高級住宅地にある弓削教授の屋敷で起きた猟奇殺人事件。屋敷の主の弓削道蔵X大学名誉教授と3人の幼い子供たちが、いずれも腹を切り裂かれ、内臓を引きずり出されて殺害されていた。
警察が教授邸に到着する直前に、警官たちは教授が屋敷の裏側に回るのを目撃していた。警官たちも続いて教授の後をいき、そこにあった地下室の入口を下った。すると地下室では教授が殺されていたのだった。
間違いなく犯人は地下室にいたはずだ。だが、犯人は警官たちの目の前で地下室を抜け出して消えてしまったのだ。
この弓削教授の屋敷では、19年前にも陰惨な事件があった。そのころは南條物産の役員である南條路夫の屋敷であった。
路夫は大学教授の一人息子でであったが、南條物産の実質的なオーナーの娘婿となり、妻の芙美と10歳になる娘の芙路魅と3人で暮らしていた。
その路夫が、ある夜突然に狂いだし、幼児を3人も包丁で刺殺して内臓を引きずり出し、さらに自分の娘の芙路魅を殺そうとしたのだ。
芙美の必死の抵抗と、通報で駆け付けた警察によって路夫は芙路魅殺害を果たせずに、逮捕された。ところが逮捕されて数日、今度は芙美が差し入れた弁当を食べた路夫が死んでしまう。
弁当に毒が仕込まれていたのだ。さらに南條家では、芙美が同じ毒を飲んでこと切れていた。警察では夫のことを恥じた芙美が夫を毒殺し、自殺したと結論した。
娘の芙路魅は夫の父親に当たる弓削教授に引き取られて、九州に移ったのだが、住んでいた家が雲龍山の噴火により焼失し、再び東京に戻っていた。そして芙路魅は弓削教授邸の事件の10日ほど前に、河川敷で変死体となって発見されたいたのだった…
本格というよりはホラー小説である。なんでもありとはいえ、これで密室といわれてもねぇ。薄いだけが救い。
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