空から見た殺人プラン

受け継いだ遺産で学習プレイランドを計画した天地龍之介は、IQ190の天才だが、童顔で世間知らずで運動音痴。見かねた従兄弟の天地光章が頼りない龍之介をサポートして協力者を求めて全国行脚。だが、行く先々で事件に遭遇してしまう。
秋田・仁賀保 誰にも見えない4号室
龍之介が秋田県仁賀保に引っ越すことになり、賃貸物件をあたっていたところ、ライバルの幡吉和と競合した。坂見原ヴィレッジという物件で、幡の恋人が住んでいるところだった。大家は地元で有名な不動産会社の社長の息子であったが、面白いことに2人とも履歴書を要求され、龍之介ははねられ幡は合格した。
しかし、その直後に坂見原ヴィレッジ9号室在住の赤木という中年男が、暴漢に襲われて大怪我をすると言う事件が起きた。このところ秋田県内ではバードケージとあだ名される殺人鬼が跳梁していた。
バードケージは殺した死体に鳥かごなどの檻状のものを被せたり、らせん階段など檻状のものの近くに死体を放置したりするマニアックな殺人鬼だった。さらにその事件直後に幡の賃貸契約を解除すると大家から伝えられた。

長野・諏訪 龍神の渡る湖
吉田音文は周囲も早くからプロへの道を勧めるほどのスケートの名手であったが、当人にはプロへの気持ちなどなく、ただスケートを楽しめればいいとの思いだった。地元諏訪の企業に就職し結婚したが、しばらくして難病に侵されてしまった。
病により音文はスケートを楽しむこともできなくなり、勤めもままならなかったが、妻の紫が献身的に看病をした。そんなおり夫妻は薬事詐欺に引っかかってしまった。その主犯は諫野公秀。
諫野は血も涙もない詐欺師で、その後も夫妻を狙い数々の詐欺を仕掛け、ついに紫は自殺してしまった。紫の妹青之は諫野に対して復讐を誓った。そんなおり諫野が飲んでいたスナックから姿を消してしまった。

三重・鳥羽 真珠とバロックとあたしの部屋
龍之介の新たな夢である学習プレイランド計画で、龍之介と一緒に仕事をすることになった藤直孝好の住む鳥羽にやって来た龍之介一行。そこで紹介され、真珠養殖工場のガイドを勤めてくれた中根桃子の恋人だった佐土明洋は何者かに殺されたのだという。
明洋は暴行を受けた後に海に投げ込まれ、その死体が真珠の養殖いかだに引っかかっていたという。一方、その事件と同じ日に鳥羽警察署の尾形忠刑事は空き巣の張り込み中、これも何者かに襲われて重傷を負った。尾形刑事は日頃恨みを抱く真珠工場の従業員川北次郎を犯人として疑うが、川北にはアリバイがあった。

広島・厳島神社 神域の波打ち際
厳島にやってきた龍之介一行は、ホテルのダブルブッキングで宿泊するところがなくなり、ホテルの紹介で島の旧家一式家に泊まることになった。一式家は島の神事にも関わる家柄であった。
翌早朝トイレに起きた龍之介の従兄弟の光章は朝日の中不思議なものを見た。庭の大きな岩の窪みに雨も降らないのに水がたまっているのだ。なめてみると海水だった。
そういえば前日、大きな音がしたので皆で行ってみると窓ガラスに粘着質の汚れが付き、少し離れたところに人間の足跡がポツンとついているという、何とも説明のつかない出来事があった。いったいこの一式家には何があるのだろうか。

山口・秋吉台 空と大地の迷宮
山口県秋吉台に一時的に現れる小さな湖があった。池と言ってもいいような大きさで、もちろん名前もついていない。その湖を見つけた龍之介一行だが、そのとき突然湖が盛り上がり、そこからウエットスーツを付けた男の死体が現れた。
死体の主は平居甲太という27歳になる町役場職員で、死因は扼殺、死後3~4日の状態だった。さらにこの近くで去年の秋にも殺人事件があったという。河埜という出版社に勤める男が、殴り殺されていた。しかも死後に背中に矢を突き立てられていたのだが、その矢の保管場所が町の伝承民具保管庫で、その保管庫の管理者が平居だったのだ。


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