天使が開けた密室

密室ものの長編「天使が開けた密室」に短編「たった、二十九分の誘拐」を併載。
天使が開けた密室
女子高生倉西美波は、ひょんなことから葬儀社のアルバイトをするハメに。夜間に携帯電話を持って待機していて、連絡があればすぐに麻生記念病院に駆けつけ、葬儀社の正社員と一緒に病死した死者を病室から霊安室に移す手伝いをするのだ。
一晩待機するだけで5千円、さらに死体を運ぶごとに3千円がプラスされるから、せっぱつまっていた美波は飛びついた。麻生記念病院が自転車ですぐの距離にあることも魅力だった。だが高校1年生だから年齢はごまかし、さらに親にも内緒であった。
麻生記念病院は個人経営ながら地域では比較的大きな総合病院で、これくらいの規模の病院になると、毎晩のように死者がでた。だから美波は毎晩のように病院に駆けつけることになった。そんなある夜、美波は殺人事件に巻き込まれた。
一緒に作業をしている葬儀社の大塔が扼殺されたのだ。大塔が殺されたのは霊安室だったが、当夜はエレベーターが故障してメンテナンス会社の人間が点検をしており、さらに守衛や看護師などの証言から、大塔が殺された時間に霊安室に出入りできたのは美波しかいなかったことがわかり、美波は容疑者にされてしまった。

たった、二十九分の誘拐
倉西美波に親友であり、高校の同級生でもある立花直海。その直海が部活の最中、椅子の上においておいた携帯電話の上に先輩中條絵里奈が不注意にも腰をおろしてしまい、携帯電話が壊れてしまった。
修理の間、絵里奈は携帯電話を貸してくれた。絵里奈の兄のもので、兄が海外に出張しているので、直海に貸してくれたのだった。その携帯電話に突如電話が掛ってきた。非通知設定だった。直海が出ると、何とその電話は絵里奈の弟で4歳の幼稚園児を誘拐したというものだった。
そして犯人の要求は身代金ではなく、直海が貸してもらった携帯電話。その電話を持って1分30秒以内にバス停に来いというものだった。バス停までは400m、陸上選手の直海には余裕の要求であったが…


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