黄色い目をした猫の幸せ

秋、ザギ、リベザルの3人の妖怪が活躍する薬屋探偵妖綺談シリーズの第2作。
妖怪たちは人間に化けて生活し、ふだんはどんな薬でも調合しますと札をかけた逸らない深山木薬局を経営し、その裏では妖怪がらみの事件や不可解な事件を扱う探偵業をしていた。
探偵業は積極的に宣伝しているわけではないから、噂や紹介で事件が持ち込まれ、リーダー格の秋が気に入らなければどんな事件であろうと引き受けない。

さて深山木薬局は毎日店は開けているものの、お客が来るのは週に一度くらい。だから3人は毎日暇であったが、ある日のこと、中学生が飛び込んできた。そして「上中の佐倉康を妖怪に食べさせちゃってください」と言い置いて、去って行ってしまった。
そしてその佐倉康が本当に死んでしまう。正確には康のものとしか思えない死体の一部が見つかったのだ。その死体は段ボールに入れられて公園の片隅に放置されていた。しかも首と手足のない姿であった。
佐倉康の母親は半狂乱になり、康の死を知った椚良太は、あろうことか深山木薬局で頼んだことを警察に喋ってしまった。椚良太、まさしく深山木薬局に来て、佐倉康の死を願った人物だった。
警察は良太の話を聞いて、さっそく深山木薬局に来て、店主の秋を重要参考人として同行したが、さしたる根拠もなく、ひと通りの事情を聴くと釈放した。さすがに警察も秋たちを犯人とするには無理があったのだった。
やがて良太の手が見つかった。佐倉家の敷地にある物置の中から、くちなしの花を添えたオブジェのような手が見つかったのだ。さらに駅のベンチに置き去りにされた足が見つかる。
秋たちは事件の進展により、事件に巻き込まれていくが、警察とは全く違う事件の追い方をしていた。事件は康の問題ではなく、良太の問題としてとらえるべきなのだった。
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