試験に出るパズル

浪人生饗庭慎之介とぴいくん、そしてぴいくんの従兄弟で現役高校生の千葉千波のトリオによる論理パズル短編集。
9番ボールをコーナーへ
慎之介の親戚の麻薬取締官苺谷が追う黒山という男は、特定の日に代々木にあるキャロットという喫茶店に入り、窓際の同じ席に座る。コーヒーを1杯飲み、煙草を1本だけ吸って金を払ってでるまで10分程度。
その10分の間に麻薬を取り引きする場所と時間が黒山に伝えられるらしい。だが、その方法が分からない。店の従業員や店の調度、外に見える風景などが徹底的に調べられたが、わからなかった。
店の中には苺谷が、外には2人の捜査官が張り込んでいるが、黒谷は全く気にすることなく、判で押したようにいつも同じように行動した。そして喫茶店を出ると尾行する捜査官を上手く撒いて取引先に向かうようだ。
この話を聞いた千波は興味を持ち、黒山がくる日にキャロットに偶然を装って張り込もうと言いだした。

My Fair Rainy Day
千波たち3人が入ったホテルのレストランの昼のバイキング。その大半を占領していたフラダンス教室のおばさんたち。そのおばさんの一人が、食事中に叫び声をあげた。指輪の黒真珠がなくなっていたのだ。
黒真珠はレストランに入る時は確かに指輪に嵌っていたのは間違いない。グループのおばさんたちのウェイターも確認していた。だからレストラン内で無くなったのに違いない。
さっそく従業員が集められ大捜索が実施されたが、黒真珠はどこからも出てこなかった。千波がしゃしゃり出て全員の身体検査を始め、再び徹底した捜索が行われたが、やはり見つからなかった。

クリスマスは特別な日
下町で連続爆破事件が起きた。第一の現場は江戸川区葛西の武藤眼鏡工場跡地であった。1月21日のことで空き地であり怪我人はなかった。
翌2月25日に墨田区の両国駅前で北風の女神像の首から上が吹き飛ばされた。たまたま駅前の立ち食いソバやから出てきた若者が、吹き飛ばされた破片でけがをした。
三番目の事件は3月24日に起きた。葛飾区亀有の山南流弓道場の前庭と的が狙われたが、これもけが人なし。4月はなにもなく5月29日に台東区浅草のサン・パドロス教会の屋根が吹き飛ばされた。このときは牧師がけがをした。
そして6月25日、中央区新富の水の小公園の枯れた川で事件が起きた。連続爆破事件に警視庁は威信をかけて捜査を始めたが、この話を聞いた千波は事件の日付と場所にはちゃんと規則性があるという…

誰かがカレーを焦がした
所沢の千波の家に泊まりに行った慎之介とぴいくん、それにぴいくんの妹のちょこちゃん。千波の家にはほかに親戚の俊夫と近くに住む宝塚華子が来ていた。
総勢6人で飲んだり、歌ったり、ゲームをしたりの騒ぎが午後のあいだ中つづく。その間に夕飯用のカレーを1時間交代でみることになった。40分ほど火を入れながらゆっくりとかき回すのだ。
最初が千波、1時からが俊夫、2時からが華子、3時からが慎之介、4時からがぴいくん、そして5時から千波がもう一度火を入れて夕食という段取りだった。だが夕食に出てきたカレーは極端にルーが少なかった。千波曰く、あとはほとんど焦げてしまっていたというのだ。ルーを焦がしたのはいったい誰…

夏休み、または避暑地の怪
夏休み、千波の叔父さんの経営する旅館に千波と慎之介、ぴいくんの3人が泊まりに行った。さっそく近くの湖で釣りをすることになり、道具を片手に山道を歩いて行ったが、その途中でスイカを2つ抱えた少年が目の前を横切った。さらに少しして少年を追いかけるおじさん。
おじさんは少年がスイカを、といいへたばってしまったが、スイカ泥棒と理解した3人は少年を追った。やがて3人は鏡大寺という小さな山寺に行きついた。そこの和尚は双子、小坊主は三つ子。
小坊主は国夫、数夫、英夫といい国夫は絶対に嘘をつかず、数夫は嘘しかつかず、英夫は嘘と本当を交互にいう。この3人がスイカを盗んだ少年に関して何か知っているらしいが、誰が誰やらわからない。
そこで千波はいくつかの質問とそれに対する小坊主の答えからスイカ泥棒の少年に関する情報を得ようとするが…


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