未明の家

建築探偵桜井京介シリーズの第1作。伊豆にある遊馬家の別荘黎明荘は、遊馬家の当主だった歴がそこで死去し、さらにその子供の灘男が自殺未遂をするに及んで、誰も住まなくなった。
遊馬灘男の妻で宝飾店を経営する明音は、歴と仲が悪かったこともあって黎明荘を不動産業者の醒ヶ井に売り渡して、跡地をリゾートマンションにしようとする。
灘男と明音の四女理緒は歴の大のお気に入りで、理緒も歴のことを好いていたために黎明荘の売却に反対し、建築探偵桜井京介に別荘の鑑定を依頼する。
理緒が京介に依頼したのは黎明荘の鑑定だけではなかった。そこで死去した歴の死の真相を探っても欲しかったのだ。歴は事故死とされているが、理緒は明音が歴を殺したと考えていた。
理緒の依頼を受けて京介は助手役の蒼や栗山深春とともに黎明荘に向った。黎明荘はスペイン風の中庭であるパティオを持つ別荘であったが、本来解放的であるはずのパティオは閉鎖的に作られていた。
その不思議な造りに首を捻る京介たち。さらに遊馬家の人達は皆一癖ありそうな人物達で、京介たちと距離を置いて接した。

それでも歴の死の捜査をしていくうちに、灘男の自殺未遂も本当は殺されかけたのではないかと疑われるようになったが、灘男はあくまで自殺して死に損なったと主張。
そして、黎明荘で不動産業者の醒ヶ井が死んでいるのが見つかった。醒ヶ井は黎明荘の中で椅子に乗って何かをしていたところ、椅子がバランスを崩して死んだように見えた。
しかし歴の死弥や灘男の自殺未遂から考え、醒ヶ井の死が事故とはすんなりと考えられない。黎明荘で椅子に乗って何かをする必然性も無かった。
京介は醒ヶ井の死も事故ではなく、何者かの意思が働いていたのではないかと考えたが…

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