ら抜き言葉殺人事件

自宅マンションでピアノを教えている笹森恭子という中年女性が、マンションのベランダで首を吊って死んだ。自殺と考えられたが、現場に臨んだ吉敷刑事は違和感を覚える。
笹森の部屋は5階建てのマンションの最上階で、屋上の手すりにロープをかけて首を吊ったのだが、そのような自殺の仕方はあまりみられないものだった。
さらに笹森の体には包丁で傷ついたらしい擦過傷が何箇所もあり、台所からは血がついた包丁も見つかった。吉敷は部屋を捜索し、本棚から作家因旛沼耕作の著書と因旛沼からの手紙を発見する。
因旛沼の手紙は、笹森が因旛沼に「ら抜き言葉を小説に使うなど作家の風上にも置けぬ」というクレームの手紙を出したことに対する返信であった。
どうも笹守と因旛沼の間には険悪な雰囲気が漂っていたらしい。吉敷は因旛沼の家を訪ねることにした。

そんな時、また女性の自殺の連絡が入る。今度は自宅マンションからの飛び降り自殺であった。現場に向った吉敷は、その女性の部屋からやはり因旛沼の著書と手紙を発見する。
すると今度は当の因旛沼の死体が公園から見つかったとの報せが入った。因旛沼の死は包丁で刺されたことによる他殺であった。
調べてみると、因旛沼殺しの凶器の包丁は笹森の部屋にあった血のついた包丁であることが判明。さらに因旛沼の妻和子によれば、笹森から数回クレームの手紙が来たほか、最近は笹森が窓に石を投げて割ったり、放火までしていたことが判明。
和子は因旛沼を殺したのは笹森に間違いないと言い張り、吉敷以外の人間も笹森が因旛沼を殺して自殺したのだと考えた。
だが吉敷はら抜き言葉くらいで殺人まで起きるのだろうか?それと飛び降り自殺した女性は因旛沼とどういう関係にあったのか?といつものように悩み…
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