北の夕鶴2/3の殺人

警視庁刑事吉敷竹史のところに電話が入る。電話の相手は加納通子、5年前に別れた吉敷の妻だった。通子はただ久しぶりに吉敷の声を聞きたかっただけだと言って電話を切ってしまった。
吉敷は通子の只ならぬ様子が気になり、一目会いたい気持ちもあって、通子が乗る予定だと言った寝台特急ゆうづる9号を見送りに行く。
ゆうづるのドアが閉まり走り出したとき、駆けつけた吉敷は窓越しに通子を見た。通子もこちらを見ていた。
翌日、ゆうづる9号で女が死体となって見つかった。遺体は終着青森で降ろされたが女の死体の身元はわからず、警視庁にも青森警察から照会が来た。
それを見た吉敷は、死体の様子や特徴が通子に近いので驚く。そして年末年始の休暇を利用して一人青森に向った。青森で死体を見た吉敷は、女が別人であることにほっとする。
だが、死体の女が通子の書いたメモと通子が彫金で作ったスプーンを持っていたのを知って、通子が事件と何らかの関係があると睨む。そして時間の問題で通子が犯人とされるのでは心配し、通子の行方を追うべく動き出す。

そして通子は釧路に住んで彫金の小さな店をやっていることを知り、吉敷は釧路に向った。すると釧路では不思議な殺人事件が起きていて、通子がその犯人と思われていることを知った。
殺人事件は通子の住むマンションの通子の部屋で起きた。通子の部屋で藤倉市子と房子という2人の主婦が殺されていたのだ。藤倉市子は藤倉一郎の藤倉房子は藤倉次郎の妻で藤倉一郎と次郎は兄弟であった。
2人の主婦と通子は友人であり、凶器は通子の指紋のついた通子の包丁、そして通子は行方不明ということで、釧路の警察は通子を犯人としてその行方を追っていた。
この事件で不思議なのは通子の部屋に2人の主婦が出入りできなかったこと。当時1階の管理人室には複数の人間がいて、主婦が通る姿を誰も見ていないのだ。死体が忽然として通子の部屋に現れたような状態であった。
さらにその夜に鎧武者がマンションを出入りしていた。その鎧武者が偶然に写真に写っていたのだ。吉敷は事件を知って通子の困難な立場を知り、通子の捜索に全力を挙げる。だが…
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