消える密室の殺人

「ゆきの山荘の惨劇」に続く、猫探偵正太郎シリーズの第2長篇で、今回は同居人(飼い主)の売れない推理作家桜川ひとみに連れられて正太郎が上京する。
ひとみが上京した理由はある雑誌に掲載された記事に抗議するためであったが、ひとみは担当編集者の糸山に懐柔されて高級ホテルに泊まることに。当然猫は泊まれないので正太郎は出版社に預かってもらうことになった。
この出版社では猫の写真集を出すことにしていて、作業の遅れから社内にある日本庭園の一角にプレハブ小屋を建てて、そこで猫写真集の作成作業を大車輪でしていた。
そのプレハブは庭園の一部を金網で囲って臨時に建てたものだから窓もなく、プレハブの裏には庭園の一部を取り込んで、そこで猫の写真撮影が行われていた。
だからプレハブ内には動物プロダクションから借りた猫を始め多くの猫がいて、正太郎はそこに放り込まれて一夜を過ごすことになったのだった。

ところがそのプレハブ内で密室殺人&殺猫が起きる。プレハブには室内側、裏庭側双方から入れる簡易トイレがついていたが、実際は使われていなかった。
室内側のドアには鍵が掛けられ、裏庭側のドアは鍵が掛けられていなかったがぬかるんだ土には犯人はおろか被害者の足跡はなかった。
また、プレハブ内には編集者がいて犯人も被害者も通り抜けはしなかったと証言し、プレハブ内を通り抜けないで裏庭には出れない構造だった。
さらにそのプレハブに入るためには本社屋を通らなければならず、本社屋の警備員やカメラも被害者が入ったのは認識していたが、怪しい人物が入った形跡はなかった。
被害者は猫写真集のカメラマン高畑圭一で、死因は青酸カリを飲んだためで、多量の青酸カリが死体の服を汚していた。そして高畑の死体の間にはアビシニアンの猫が死んでいた。
猫の名はデビット、撮影のために集められた猫の一匹で、死因はやはり青酸カリであった。一夜の宿を借りた正太郎は殺人&殺猫事件に否応なく巻き込まれてしまった。
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