ゆきの山荘の惨劇

柴田よしきの本格推理である猫探偵正太郎シリーズの初作。
正太郎は同居人(飼い主のことを作中正太郎はこう呼ぶ)の推理作家桜川ひとみに連れられて、奈良の山中にある白石純弥の山荘に向かう。
白石の山荘は途中までしか車が入れないほど不便なところで、ここで白石と鳥越裕奈の結婚披露が行われ、それに桜川ひとみも招待されたのだ。
白石と鳥越の2人も推理作家で、今回の結婚披露は作家仲間や編集者などごく親しい人だけが集まった内輪のものだった。ひとみは鳥越からぜひと頼まれて出席したのだった。
ひとみが山荘に落ち着き、さらに他の出席者たちも揃い、残るは作家の川内と編集者の山脇だけとなった。そこに山荘に続く山道の先で土砂崩れが起き、川内と山脇が乗った車が土砂に埋まってしまう。
2人はなんとか助かり、山荘の皆に救出されたが、この土砂崩れのために山荘は下界から隔絶されてしまった。そしてひとみは鳥越から相談を持ちかけられる。

その相談とは…
鳥越のデビュー前の懸賞応募作がリライトされて、ある作家の本として出版されているという。懸賞のシステムからいって犯人は当時の担当者の3人の中にいるらしい。
3人は糸山、山県、山脇といい今回の山荘での披露パーティーに招待している。その3人の前で懸賞小説と同じシチュエーションを作り出し、反応を見て誰が犯人かを特定したい。
ついてはひとみに被害者の役(デザートのブルーベリータルトを食べて、タルトに入れられた毒で死ぬ役)を演じて欲しいというものだった。
ひとみはしぶしぶながら同意して、デザートの時にわざとらしくタルトを食べて苦しんで部屋に駆け込み、3人の中から山脇を犯人と特定したが山脇は頑強に否定。
ところがひとみと鳥越が山脇を攻めている間に、本当に毒殺事件が起きてしまう。招待された作家の一人川内が突然苦しみだし血を吐いたのだった。
さらに続いて山脇が同じように苦しみだした。山荘は土砂崩れでと隔絶され、もともと電話もない。白石が無線で連絡して救助を要請したが、夜間でありヘリコプターも迎えないという。
やがて川内が死亡し、続いて山脇も死んでしまった。めでたいパーティーの場は修羅の場に変ってしまった。この様子を見ていた正太郎は、白石の飼い猫トーマと招待客の一人浅間寺の犬サスケとともに事件を解こうとするが…
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