蜜の森の凍える女神

第28回メフィスト賞受賞作。
仙人平の知人の別荘に泊まりに行った風夏学園高校2年のヴィッキーとその友人の森下吉乃、それにヴィッキーの弟の誠。別荘に着いた翌日、季節はずれの猛吹雪が別荘周辺を襲った。
そして別荘に援けを求めに来た大学生の一団。大学生たちは仙人平のホテルに泊まっていたが、麓まで車で買出しに行き、猛吹雪にあって動けなくなったのだった。
ヴィッキーたちは雪が止んで車が動けるようになるまでという条件で大学生達を招じ入れた。大学生の一行は栄京大学のサッカー同好会の野村、植田、中嶋、高口の男性4人とマネージャー役の麗秀女学院大学の西田、谷川の2人。
ところが雪は止むどころかますますひどくなり、結局その夜は大学生達を泊めることになった。そして余興として名探偵を気取るヴィッキーを探偵にして、犯人当ての探偵ゲームが行われた。

余興の探偵ゲームで最初の犠牲者になったのは、ゲームの提案者の高口。夕食のカレーライスに砒素が混入されて殺されたという設定だった。
ところがその夜に高口は本当に殺されてしまった。翌朝、いつまでも起きてこない高口を呼びにいった中嶋が、部屋の中で血まみれになった高口の死体を発見した。
高口は包丁で体を何箇所も刺され、部屋の中は血の海であった。部屋の窓は開き、ベランダに積もったの雪は乱されていて、犯人は部屋の中に雪を入れたらしく床は水浸しだった。
だが、不思議なことにドアには鍵がかけられていた。高口が発見される30分ほど前に部屋のドアに鍵がかかり開かなかったことは複数の人間が確認している。
ところが発見時に中嶋が思いっきりドアを押したところドアは開いたという。死亡推定時刻は未明だから犯人はドアに鍵をかけて行ったことになる。
ドアにかぎは2つあり、1つは部屋の中から、もう1つは庭の物置後屋にあった。だが物置後屋の周囲の雪に足跡はなかった。犯人はベランダから脱出したとも考えられたが、ベランダの雪は乱されていたものの、その先の雪には足跡一つなかった。
現場は一種の密室の状態であった。定石どおり吹雪の別荘で起きた事件の犯人は…
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