カーニバル・イヴ
カーニバル
カーニバル・デイ

新書版では3冊、文庫版では改稿されて5冊、新書版ではカーニバル三部作といわれるらしい。カーニヴァル・イヴは「人類最大の事件」、カーニバルは「人類最後の事件」、カーニバル・デイは「新人類の記念日」とサブタイトルあり。
新書版でカーニヴァル・イヴは318ページ、カーニバルは849ページ、そしてカーニバル・デイは1019ページという大作で、とにかく厚いし長い。それでもカーニバル・デイは相当カットしたらしいです。

さて「カーニバル・イヴ」は全体の予告編的な位置付けで、事件らしいものは何も起りません。「アナザー・ジョーカー」なる作中作の短篇が唯一ミステリっぽいのですが、本格ミステリといえるようなレベルではなく、カーニバル・デイのかなり後の方の伏線のようなものです。ほかはJDC(日本探偵倶楽部)のユニークな名探偵たちの動きが書かれているだけです。
作者はあとがきで、次作カーニバルとその後のJDCシリーズの伏線を随所にはりつつ、完結した話になっていると書いていて、それはその通りですが、この時点で内容自体はほとんどないといっていいです。
「カーニバル」では人類最後の事件の開幕です。ビリオン・キラー(10億人を殺す者)が不可能犯罪を次々に起こします。最初の事件は1996年8月10日午後1時、京都にあるJDC本部ビルが爆破され、多くのJDCの探偵や職員が殺されます。
犯人はビリオン・キラーと名乗り、毎週土曜の午後1時に世界のあちこちで事件を起すと予告します。同時に毎週400万の人間が死んでいく、犯罪オリンピックが開幕したと宣言します。
翌週はニューヨークのエンパイヤステートビルが爆破され、さらに英国ストーン・ヘンジ、トルコのカッパドキア、バミューダ・トライアングル、喜望峰沖、マチュピチュ、エッフェル塔などで信じられないような事件が起き続けます。カーニバルでは26の事件が起こり、ごく一部は探偵たちによって解決が語られます。
最後の「カーニバル・デイ」では残りの犯罪が語られ解決へと向いますが、その前に犬神家の末裔でJDCの関係者でもある犬神夜叉によるローカルな事件記録が200ページほどあります。この記録ものちの伏線にはなっているのですが、事件自体はあまりにお粗末なものです。
その後は方向性がまったくわからない展開で、例えばタスマニア島がオーストラリアに衝突したり、ムー大陸が復活して環太平洋地帯に大津波が起きたりとなんでもあり。さらにそんな事件の記録とともに薀蓄が延々と語られます。そして解決編へ…

賛否両論ある清涼院流水ですが、このカーニバル三部作はかなりアクが強くて、読み終わって暫く虚脱状態でした。とくにデイの薀蓄が延々と続くところは、さすがに疲れました。
この疲労感を解決編が一気に吹き飛ばしてくれればいいのですが…一応ミステリの形式は踏んでますから、作品上では事件は解決しています。
結論としてはミステリというよりファンタジーとして読むべき作品でしょう。

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