思いがけないアンコール

夏休みに殺人事件に巻き込まれ、解決に向けて活躍した大学生大垣洋司とその先輩陣内龍二郎は、名探偵としてもてはやされた。と言ってもそれは興味の面だけのことで、期待したように謎に満ちた事件の相談は皆無だった。
そんな2人のところに、新津と名乗る男が殺人予告状を持ってやって来た。その予告状によると、3人の人間が死ぬらしいが、それがどこの誰であるかはわからない。しかも新津は口が堅く、事件を引き受けないなら依頼人すら明かさないというのだ。
もともと洋司は乗り気でなかったが、陣内は大乗り気で勝手に事件を引き受けてしまう。そして案内されたのは奇妙な屋敷。半径100メートルはある大きな円形の芝生の中央に、ゆっくり回転するお堂が建っていた。
そして円の周囲には、等間隔に4棟の全く同じ屋敷が建っている。しかし屋敷の形は同じだが、向きはバラバラだった。洋司と陣内はそのうちの一棟に案内され、そこで依頼主に紹介された。依頼主は日本の政財界を裏で操る大物高槻貞一郎だった。その一言で総理の首が飛ぶとも言われる人物だ。
そしてその夜、早くも事件が起きた。2人が高槻に会ってから、ほとんど時間は経っていなかったのだが、高槻貞一郎が殺されたのだ。死体は洋司と新津が確認したのだが、その死体がちょっと目を離した隙に消えてしまったのだ。
屋敷にはほかに高槻の3人の孫娘早香、涼子、美苑と貞一郎の五男の悦史、それに住込の運転手とコックがいたが、皆は戸惑ったり怒ったり。警察を呼んでみたものの、死体がないのではどうしようもない。
だが事件はさらに続いた。それも殺人予告のとおりに犯行が行われた。第二の事件があり、凶器も見つかったのだが、またしても死体は消えてしまったのだった。
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