思い通りにエンドマーク

ミステリマニアの大学生大垣洋司は、テニスサークルの同級生宇城救からテニスコーチ付きの合宿に誘われた。合宿とはいっても旅行の様なもので、宇城の知り合い家に宿泊するという。テニスが一向にうまくならない洋司は、二つ返事で誘いに乗った。
その家は洞洛館という洋館で、山奥の川に沿った崖縁に建てられていた。そこに達するには15メートルほどの川を、細い吊橋で渡らなければならず、もちろん車でのアプローチは不可能だった。
そしてその館は岩壁に突っ込むような建てられており、館の背後のドアを開くと、そこには天然の洞窟があった。この奇妙な館の持ち主は角館俊之氏。そして俊之氏のほかに妻の麗子、娘の美左緒、麗子の弟の犬沢孝三、住み込み家政婦のタネという老女が住んでいた。
さらに滞在者として俊之氏の会社関係者明智功二氏がおり、洋司と宇城を合わせると8人が館にいる全てだった。もうひとつ奇妙なことに、角館夫妻の夫婦仲が悪いらしく、夜間は館全体が大きく2つのブロックに分けられていた。
廊下の途中にドアがあり、夜になるとそのドアに鍵がかけられるのだ。玄関側が表側、洞窟側が裏側で、鍵は裏側から掛けられる。したがって夜間は表側から裏側には行けないし、裏側からは鍵を開けない限り表へは行けなかった。
そんな奇妙な館で事件が起きる。殺されたのは麗子夫人。首をガウンの細紐で絞められていたが、夫人の部屋は内側から鍵を掛けられた密室だった。窓から出入りした形跡もなく、さらに電話線が切断され、吊橋も落とされてしまった。館は犯人によって雪の山荘状態にされてしまったのだった。
島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -