狩野俊介の冒険

少年探偵狩野俊介の活躍する短篇集。番外編として青年編「電脳車事件」を収録。
硝子の鼠
お嬢様学校の清麗女学院理事長塩谷勝弘が、探偵野上英太郎のもとに相談にやって来た。勝弘の娘で清麗女学院の生徒でもある美香の誕生会が開かれたとき、郵便受けに美香宛の包みが入っていた。
美香がそれを開けた途端に、美香は包みを放り出し卒倒してしまったというのだ。投げ出された包みの中には開けられた箱があり、そこには黄色の包装紙に包まれた硝子細工の鼠があった。
鼠嫌いの美香が、たとえ硝子細工とはいえ鼠を見て驚いたのかと思っていたが、その日以来美香は塞ぎこんで元気がなくなってしまった。勝弘はその原因を探って欲しいというのだが…

加古町の消失
俊介と野上英太郎が町で出会った青年は不思議な体験をしていた。酔って乗った最終電車の客は青年と60歳くらいの白髪の紳士。車内で紳士と話すうちに青年はこの電車が目的地まで行かないことを知った。途中どまりの電車だったのである。しかもその先に行く電車は明日までなかった。
弱り果てた青年に紳士は自分の家に泊まるよう勧める。途中の加古という駅で降ろされて紳士の家に行き、そこで紳士の母親に挨拶した後で2人で酒を酌み交わした。
青年はいつしか眠りに落ち、ふと気がつくと駅に寝かされていた。紳士の家に忘れ物をしてきた青年は加古駅に戻ろうとするが、駅員に聞いても路線図を見てもそんな駅はないという。途方にくれて町を歩いていると、俊介と野上に偶然出会ったというわけだった。

雨天順延の殺人
ある朝、藤田美恵子という名の女性のところに間違い電話が架かった。相手の男は、明日予定通りに恵美子の為に殺人をすると告げ、雨なら順延だけど幸い天気もよさそうだから大丈夫だと付け加えた。
電話の内容に驚いた恵美子が問いかけると、相手は間違い電話に気づいたらしく慌ててきってしまった。恵美子は恐ろしくなって警察に相談したり、友人に話したりするがそれだけでは動きようがないと言われ、探偵野上英太郎のもとにやってきた…

俊介の道草
俊介が学校の帰りにどこかで道草をしているらしく帰りが遅い。ある日など怪我をして帰ってきた。俊介を問い詰めたが、転んだだけで何でもないといって話をしてくれない。
心配になった野上英太郎は学校まで行って俊介の下校を待ち、その後を追けることにした…

電脳車事件
番外編として収録された作品で、青年探偵・狩野俊介の冒険と副題されている。
帝国自動車開発の電脳車は基本的に音声認識をして自動運転をする仕組みであった。温泉地の田んぼの端にその電脳車が放置されていて、運転席には明らかに死んでいる男が座っていた。
ところが電脳車のドアには把手も鍵穴もなく外から開けることはできない。困り果てていると帝国自動車の人間がやって来て車を見、中で死んでいるのは帝国自動車社長であり自分の義父だという。
その男が電脳車に命令してドアを開けると中から男の死体が転がり出た。が、その死体は首にロープを巻きつけられ、一端はハンドルにもう一端は座席に固定され、ハンドルを旋回させて首を締めていた。
たまたま温泉地に逗留していた俊介はそれを見て…


島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -