天霧家事件

世界的に有名な名探偵石神法全を継いで探偵として活躍している野上英太郎のもとに、黒い服で身を固めベールまでした女の依頼人が現われた。
中学生くらいの男の子が2人が水着姿で写った一葉の写真を見せて、1人は自分の夫であった鈴木政秀で交通事故で死亡した、そしてもう1人が誰かわからないので捜してくれと依頼をしてきた。
写真を詳細に見ると水着に校章が縫い付けられていて、野上はそれを手がかりにして調査を開始するが、最初にあたった当時を知る中学教師だった女性は、口を閉ざしてしまう。
次に鈴木政秀の母親を訪ねるが、政秀の母親に写真を見せると、その写真は先日訪ねてきた謎の女に盗まれたものだという。
女の風体を聞けば、野上に調査を依頼した女に間違いなく、しかも政秀は独身のまま死んだという。女が嘘を言って調査を依頼してきたと知った野上は、調査結果にかこつけて女と会う約束をした。

女との会見場所は駅の近くの喫茶店。そこで女は野上の追及にトイレに立って化粧を直し、席に戻って水を一杯飲んだところ急に苦しみだして、そのまま死んでしまう。女は即効性の毒で殺されたのだった。
そして、その正体は天霧瑞江であると知らされる。町の実力者であり市長や市議会にまで大きな影響力を持つ天霧和馬の娘であった。
野上の目の前で殺されたために、野上に容疑がかかるが、過去の活躍と警察との関係から留置は免れた。警察から帰ると今度は天霧和馬から呼び出しがかかる。そして今度は和馬から瑞江殺しの犯人を挙げるように頼まれた。
天霧家では和馬の遺産を巡って最近和馬が家に入れた妾の夏目由紀子、天霧の息子敬一、天霧の弟徳馬、天霧の前妻水上啓子、それに瑞江と密かに関係を持っていた天霧家の執事草野鉄也などがそれぞれの思惑で醜い争いを繰り広げていた。
野上は必然的にその渦中に身を投じることになるが、今回は狩野俊介は夏休みのキャンプに行っていて不在。自身だけで事件の解決を図からなければならなかった。
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