七つの棺

密室大好きな迷警部黒星光は、あまりに密室好きが高じて多くの事件を迷宮入りさせ、田舎町白岡の警察署に左遷される。そこで起きる数々の怪事件に迷警部の解決は…
密室の王者
白岡の町民相撲大会の決勝戦は、予想通り東口商店街代表時任山と西口商店街代表鶴乃海の対決となった。結果は時任山が勝ち、時任山一行は深夜まで相撲大会の会場となった町民体育館で祝杯を挙げた。
深夜、その体育館の様子がおかしいと東口商店街の一人が警察に駆け込んできた。黒星警部一行が体育館に向うと、体育館の唯一の出入口には中から鍵がかかり、しかも内側からガムテープで目張りまでしてあった。
そして中には商店街の5人の若者が酒に酔い潰れて倒れ、その真ん中には時任山が死体となっていた。時任山の死体には外傷はなく、大きな衝撃を受けて死んだらしいが、体重100Kgの時任山に衝撃を加えられる人間など、ほとんどいないはず。時任山は密室に中でどのように殺されたのだろうか…

ディクスン・カーを読んだ男たち
中からしか鍵がかからない大富豪の書斎で発見された2つの白骨死体。1つは大富豪自身のもので、もう1体は富豪の孫のものだった。そして書斎の中には猟銃や折れたバット、青酸カリなど物騒なものが沢山あった。
発見時は中から鍵がかかり、1つだけある鍵は白骨死体の下から見つかった。死体は死後3年程度。いったい密室の中で何があったのだろうか…

やくざな密室
白岡町で対立する暴力団山田組と三和会。もともとは1つの暴力団だったものが、先代の死で山田組から三和会が分裂し、2つの暴力団は町での主導権を争って、抗争事件も多発していた。
ついに山田組はロケット砲を購入し、三和会会長宅に向け発射する準備を整えた。対する三和会は不良品ながら核シェルターを買って会長の身を守ることに。
ロケット砲発射の予告がされた夜、三和会会長はシェルターの中に入り、中から鍵をかける。打ち込まれるロケット砲。だがシェルターは無事であった。
ところがシェルターを開いてみると、中には三和会会長が死体となっていたのだった…

懐かしい密室
密室もので著名な人気推理作家辻井康夫が失踪した。それも密室の中から…
状況はこうだった。休筆を宣言した辻井のもとに、連載を持っている雑誌の編集者たちが押しかける。辻井は書斎にこもる。書斎の窓は池に面し、さらにその池の向こうには牧場があって 、電流の通った柵が作られているから窓からの脱出は不可能。
ドアの前には編集者たちが陣取った。だが、辻井は見事にこの密室の書斎から抜け出て行方をくらました。
2年後、辻井は編集者たちに手紙を送り復帰を宣言。今度は消えた書斎に現れるという。指定された時刻に消失のときと同じように陣取る編集者たち。しかし時間になっても書斎の中に人の気配はない。
皆で書斎に入ってみると、さっきまで何もなかった書斎に辻井の生首があった。辻井は死体となって密室に戻ってきたのだった。

脇本陣殺人事件
白岡町の旧家一本柳家は財政難で没落寸前にあった。未亡人フサ子とその美貌の娘寛子、それに源蔵という身の回りの世話をする爺やが、広大な屋敷の住人だった。
そこに元小作人の成金宮地健が暴力団を使って金を貸し付け、返せないとわかると寛子との再婚を迫る。一本柳家ではなすすべもなく、寛子と健の祝言が行われる。
そのあと初夜を迎えるために寛子と宮地健は、築50年は経つ庭の離れに入った。翌朝離れでは宮地健が死体となって発見された。
健の死体のあった部屋は外からタンスやテーブルでバリケードが作られ、ふすまにはつっかえ棒がかまされていた。一方中からはふすまや窓にガムテープで目張りがされていた。
当日は雪が積もっていて、雪の上には発見者の源蔵の足跡があるのみ。さらに新妻の寛子は行方不明。黒星警部は史上最強の密室と大騒ぎをするが…

不透明な密室
建設会社清川組社長清川誠蔵がお盆の日の真昼間、社長室でナイフで刺し殺された。清川組の事務所は自宅と同じ敷地にあって、社長室は敷地の庭に面してサッシ戸が、事務所側にはドアがあるが、誰にも見られずに社長室に入るのは無理であった。
ところが社員がふと気がつくと社長はナイフで刺し殺されていたのである。誰にも見られずに入るのすら不可能なのに、サッシ戸にもドアにもには内側から鍵がかっていた。現場は二重の密室であったのだ。

天外消失事件
白岡山にできたアベックリフトで殺人事件が起こった。アベックリフトは4人乗りのリフトに蓋をつけたカプセルのようなもので、ドアは外からボルトで締めてしまうから中からは開かない。
山上へ向うリフトに乗った取材記者が、すれ違いに山麓に向かうリフトを見たら、男が女にナイフで襲いかかっていた。一方山麓駅では降りてきたリフトのドアを係員が開けると、ナイフで刺された女の死体が転がり出てきた。
しかし出てきたのは死体だけで、犯人も凶器のナイフもリフトの中にはなかった。犯人は凶器を持ったまま空中に消えてしまったのか…


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