黄色館の秘密

箱根の奥にある建設会社経営者阿久津又造一家が住む屋敷は、黄色館と呼ばれていた。建物は一家の住いである屋敷と又造が金にあかせて集めた珍品を展示する秘宝館に別れていて、その両者の間に阿久津家専用の露天風呂があった。
秘宝館には世界から性関係の品物が集められ、入場料をとって一般にも公開されていた。中で最も有名なのが黄金仮面といわれる純金で出来た仮面であった。
その時価一億円ともいわれる黄金仮面に泥棒集団・爆盗団が目をつけた。爆盗団は又造に25日に黄金仮面を盗み出すと予告してきた。
そんな状態の阿久津家に現れたのが埼玉県白岡警察署の黒星光警部。黒星警部は署長から強制的に休暇をとらされて箱根に湯治に来ていたのだった。
そこにかつての事件で知り合った葉山虹子からSOSが入った。虹子は友人の招待で黄色館に滞在していたのだ。その虹子からのSOSを受けて黒星警部が駆けつけてきたというわけだった。
だが虹子のSOSは勘違いとわかり、黒星警部は騒ぎを起こした罰として、黄金仮面の警備役を仰せつかる。

やがて爆盗団が予告した25日の夜を迎えたが、この日は雪が降りだして夜にはかなり積もり下界との交通は遮断されてしまった。おまけに電話線が切れたらしく電話も通じなくなった。
吹雪の山荘と化した黄色館で、やがて殺人が起きる。又造が美人秘書の部屋でことに及ぼうとしたとき、頭を強打され殺されたのだ。
美人秘書も気絶していたが、その部屋は中から閂がかけられ、しかも窓にも中から錠が掛かった密室であった。密室大好き、不可能犯罪大好きの黒星警部は踊りあがって喜ぶ。
だが黒星の捜査はいつものように迷走気味。その間に黄金仮面は盗まれてしまうし、今度は美人秘書がやはり中から鍵の掛かった部屋で殺されてしまう。
連続密室殺人事件を前に、黒星の喜びはさらに増したが…
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