倒錯の死角

折原一の長篇第1作で、サブタイトルは201号室の女。
40歳近い独身の翻訳家大沢芳男は78歳の伯母ヨシの家に居候している。ヨシの家はかなり古く、庭には戦前からの傾いた物置が建っているほどであった。
大沢の家の隣にメゾン・サンライズという名前だけはかっこいいが、普通のアパートが建っている。メゾン・サンライズは1階、2階3部屋づつの普通のアパートであった。
2階の202号室には戸塚という学生が住み、203号室は老夫婦が住んでいた。そして201号室には若い女が春先に越してきた。大沢が仕事部屋に使っている2階の部屋の窓を開けると目の前が201号室で、その間の距離は20メートルほど。
大沢は201号室の若い女が気になって、屋根裏部屋から覗きを始めた。屋根裏部屋は外から見ると全くわからず、大沢がこの家にやってきて暫くしてから覗きを始めた部屋であった。
ところがある日のこと屋根裏部屋から201号室を覗いたところ、その部屋の若い女性がストッキングで首を絞められて殺されているのが見つかった。
大沢はそのことを言うわけにもいかず、死体はその日に田舎から上京してきた若い女の母親によって発見された。殺人と断定されて、大沢のところにも警察が聞き込みに来たが、大沢は惚けていた。
ところが、大沢の脳裏に若い女の死体がこびりつき、大沢はそれから逃れるためにアルコールを飲み、ついにはアルコール依存症になってしまう。

大沢のアルコール依存症は段々酷くなり、ついに伯母によって強制的に入院させられる。その結果、大沢は3ヶ月ほどで立ち直り、伯母のところに帰ってくる。
ところが、暫くすると向いの201号室に、再び女が入居した。やがて、その女は大沢を挑発するような態度を獲り始めた。大沢は再び覗きに浸り始め、やがてアルコールに手を出してしまう。
一方201号室の女は、大沢の視線が気になり始めた。覗くものと覗かれるものの視線が相互に絡み合って…
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