猿島館の殺人

横須賀沖に浮かぶ猿島、江戸時代から重要な地にあるために軍事に利用され、現在も無人島のはずであったが、そこに猿島館という館があって世間から隔絶された世界でひっそりと暮らす猿谷一族。
そこに起きた密室殺人事件に巻き込まれた雑誌のライター葉山虹子と黒星警部、鬼面村の殺人事件(鬼が来たりてホラを吹く)で活躍した迷コンビ。

取材のために毎日曜日に運行される観光定期船で猿島に渡った虹子だが、思わぬアクシデントがあって島に取り残されてしまう。次の定期船は一週間後まで無い。
暗く、淋しい島で一人すごすことになる虹子であったが、偶然から古い洋館がタブの密生した林の奥にあることを発見する。
その洋館、猿島館に住むのは古くからこの島を守ってきた猿谷一族。明治になって軍の要請で一旦立ち退いたものの、半年ほど前に再び島に戻り、ここで生活をはじめたのだという。
そこで生活するのは老主人藤吉郎、その後妻静江、静江の連れ子美奈代、藤吉郎の息子誠一・妻則子・息子の大輔、使用人の源造とチヨ子夫婦、看護婦の春山すみれの9人。
藤吉郎は小説を書くのが趣味の無類の女好きで、虹子にも食指を動かしたくらいだった。静江は高慢で美奈代は半病人のようで本ばかり読んでいる。
誠一はでっぷりと太った無定見な男で、則子は美人ではあるが生活に疲れた風、大輔は生意気な子供であった。春山すみれは看護婦というより色気の匂う女であった。

このメンバーの中で事件が起きる。密室になった藤吉郎の書斎、窓は一切なくドアは分厚い板で作られ中から閂が掛り、外部と通ずるのは暖炉の狭い煙突だけ。煙突は子供や細身の人間なら通れるだけの幅しかない。
被害者は藤吉郎で、頭を鈍器のようなもので殴られて死んでいた。そこに現れる黒星警部。黒星警部は江ノ島の動物園から脱走したチンパンジーを追って猿島にやって来た。
そこで遭遇したのが虹子と大好きな密室殺人事件であった。意気込む黒星の前で次は静江が断崖から突き落とされて殺され、さらに殺人が…
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