雪密室

長野県中部にある井賀沼という架空の地にある、月蝕荘というペンションで起きる殺人事件。
月蝕荘のオーナーは沢渡冬規。もと防衛庁のエリート官僚で、その開発による防衛システムは驚異的なもので、将来を嘱望されていた。
しかし冬規は突然に引退し、長野県井賀沼にあった掘っ立て小屋のような建物を買い取り改装し、月蝕荘としてペンションのようにしてそのオーナーになった。
その月蝕荘に客たちが集まる。
冬規の弟の恭平、冬規の前妻篠塚真棹、真棹の現在の夫篠塚国夫、モデルの中山美和子、陶芸家の真藤亮とその娘香織、歯科医師武宮俊作、冬規の秘書役峰裕子、そして警視庁警視法月貞雄。
真棹と国夫夫妻、冬規と峰裕子を除いた人々を集めたのは真棹であった。のちに判明することだが真棹は恐喝をしていて、集めた客たちも恐喝をするために集めたのだった。
だが、法月貞雄は違っていた。貞雄は親族の代議士から真棹の旧悪を暴くよう密命を受けおとりとして潜入していた。もちろん真棹には法月貞雄の偽の情報が意図的に流され、真棹はそれを本物と信じて飛びつき、法月貞雄を呼び寄せるという形になっていた。
月蝕荘には離れがあって、そこに真棹は滞在していた。そしてある夜、真棹はそこで延長コードで首を吊って死んだ。
離れの鍵は内側からかけられ、二つある鍵の一つは真棹の死体から発見され、もう一つは本屋のラウンジに展示されていた。(この鍵は冬規手作りのこったもので、合鍵は作れず、芸術品としてガラスケースに入れられラウンジに飾られていた)
さらに前夜に降った雪が離れの周囲に積もり、本屋から離れまでは発見者の足跡しか残っていなかった。
真棹の死亡時刻には雪が降り止んでいて、現場は雪の密室であった。

探偵役は作家法月綸太郎、綸太郎の父親貞雄は警視庁警視というクイーンの世界と降った雪に囲まれてたつ建物の周囲には発見者の足跡のみというディクスンの世界。読者への挑戦つき。
島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -