密閉教室

昭和63年発行の法月綸太郎のデビュー作品。
舞台は湖山北高校。始業の40分ほど前に、いつも通り早めに登校してきた女子生徒梶川笙子は、7Rの教室に入ろうとするが扉が開かなかった。
扉は引き違い戸で、上部に四分の一ほど曇りガラスがはまっている。通常出入りする左側の扉も、ほとんど使われない右側の扉も開かなかった。
途方にくれたところにクラス担任の大神が現れ、梶川から話を聞き扉を開けようとするがやはり開かない。本気になって力任せに扉を開けると、なんとか開いたが、7Rの教室内には死体があった。
死体の主は生徒の中町圭介。喉をカッターナイフで掻き切られて死んでいた。その周囲のプラスチック・タイルの床には、中町の大量の出血が黒い染みを作っていた。
そしてその染みはすでに乾ききっていた。もっともこれらは後からわかったことで、室内を一目見た梶川は失神してしまった。
ちょうどそこに、いつもは定時ぎりぎりに登校してくる吉川信子が来て、大神が介抱している梶川を保健室に運ばせた。
警察が来て事情聴取を始めると…
・7Rの部屋の扉は内側からガムテープで柱と扉、そして左右の扉同士の計3箇所がしっかりと貼り付けられていて、大神が力任せに開いたことで、そのガムテープがはがれ扉が開いた。
・窓は内側からクレッセント錠がかけられていたと大神が証言。
・死体のそばには遺書があり、その筆跡は中町のものに間違いなかったが、なぜかそれはコピーであった。
・不思議なことに7Rの教室内の椅子と机48組が全て消えていた。これはのちに他の6つの教室に分散して置かれていた。
…当初は自殺とも思われたが、不自然な点も多く他殺の線で捜査が進められることとなったが…

綾辻行人に続く新本格作家である法月綸太郎、23歳の名作。エラリー・クイーンを模した探偵法月綸太郎が活躍しだすのは次作から。
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