念力密室!

超能力者問題秘密対策委員会出張相談員神麻嗣子シリーズの短篇集。嗣子をはじめシリーズキャラクターの保科匡緒、能解匡緒の2人も全篇に登場。
念力密室
9階建ての分譲マンション「メゾン・ベイシティ」の最上階903号室で男の死体が発見された。903号室の住人は保科匡緒という、売れないミステリ作家で、妻と別れて以後は一人暮らし。
作家なので在宅率が高く、朝の喫茶店でのモーニング、昼の中華料理屋、夜の居酒屋と食事を兼ねた外食が外に出る日課であった。その日も、いつものように居酒屋から帰って来たのだが、ドアにチェーンが掛っていて開けることができなかった。
保科は警察を呼び、警察が鉄格子の嵌った通路に面する小窓を開けてみると、いつも鍵を掛けているはずなのに窓が開いた。そして仕事場にしている部屋に死体があるのが見えた。死因は鈍器による脳挫傷、凶器は室内にあったウイスキーのボトルだった。
隣の902号室の住人の協力を得て、ベランダの普段施錠をしていない窓から903号室に入り捜査が始まった。死体の主は日下部という男だったが、この男に保科は一面識もなかった。つまり少し部屋を留守にした間に、見知らぬ男が部屋で殺され、ドアチェーンまで掛けられていたのだった。

死体はベランダに遭難する 念力密室2
事件は花火大会の夜に起きた。その日は天気予報によれば大荒れが予想され、花火大会も時間を繰り上げて行われた。そして終わると同時に台風並みの大雨、強風となったのだが、死体はその間マンションのベランダに置かれていた。
発見されたのは翌朝、隣室の住民夫婦によってだった。奇妙なのはベランダに出る窓が、部屋側からロックされていたことだった。ベランダは各戸独立したタイプで、窓以外には唯一非常ハッチが下の会に通じていたが、階下の住民がプライバシーを気にしてハッチが開かないようにトランクルームを作っていた。つまりベランダの被害者から見ると、密室状態だったのだ。

鍵の抜ける道 念力密室3
超能力者問題秘密対策委員会出張相談員神麻嗣子の担当地区でサイコキネシス使用が確認され、嗣子が行ってみると該当のマンションの部屋には、包丁で胸を刺された女の死体があった。
嗣子はあわてて、売れないミステリ作家保科匡緒のもとを訪れ助けを求めた。保科はさっそく能解警部に連絡し、3人でマンションの部屋を訪ねてみると死体は消えていた。
一方、能解警部の方は山林の中の遺棄死体事件を抱えていたのだが、どうもその被害者は、服装や凶器などの点で嗣子が見た死体と同じもののようだった。

乳児の告発 念力密室4
事件現場となった浅井ハウスは2階建てのアパートで、事件はその105号室で起きた。そこで死んでいたのは水無瀬という中年男で、部屋は内側から鍵とチェーンが掛けられた密室だった。
神麻嗣子がサイコキネシスの使用を知り、駆け付けるとその状態だったのだ。サイコキネシスは立て続けに3回使用されたのだが、奇妙なのは部屋に乳児がいたこと。その乳児は数時間前に誘拐され届けが出されていた女の子だった。
さらにもうひとり、ほぼ同じ時刻に男の乳児も誘拐されていたが、その子は発見されていなかったし、死後1日経っている男の乳児の死体が、近所のゴミ置き場から発見された。いったいこれらの事件はどう繋がるのだろうか…

鍵の戻る道 念力密室5
離婚した妻聡子から、保科匡緒のところに電話があり、食事をすることになった。その席で聡子はマンションの部屋に侵入者がいるとの話をしてきた。取られたものはないのだが、ものの位置が動かされていたり、引き出しを開けられた形跡があったりするというのだ。
しかもそれが毎日のことだという。保科匡緒は鍵の交換を勧め、聡子も鍵を交換した。するとその日、聡子の部屋でサイコキネシスが連続して2回使われ、神麻嗣子が駆けつけた。
ドアには鍵とチェーンが欠けられていたが、部屋の中に入ってみると女の死体があった。

念力密室F
わたしは娘の寿美子とともに暮らしているが、その日は風邪をひいて熱を出し寝込んでいた。実の娘ではない寿美子の夢を見て目が覚めたのだが…


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