仔羊たちの聖夜

クリスマスイヴの夜、居酒屋に集まったのは、どこにも行くあてのない安槻大学の学生たち。その仕掛け人は、何回生かも定かではないほど学生をしているボアンこと辺見祐輔で、誘われたのは1回生の匠千暁や高瀬千帆、学生の東山良秀に弦本エリ、大学講師でなんとボアンの同級生だった鴫田一志たち。
本来夕方5時集合だったが、アクシデントがあり全員がそろったのは夜の11時。それからイヴに相応しくというので、大学前のコンビニに全員でプレゼントを買いに行った。順番に買って、その後にプレゼント交換会をやろうという安直な発想だった。もちろん言い出したのはボアンだ。
それでも皆は渋々ながらコンビニに行き、順番にプレゼントを買った。それから二次会場のボアンの家へ行こうとした矢先、コンビニの前に女が降ってきた。そのコンビニは8階建てのマンションの1階にあり、その最上階から女が飛び降りたのだった。
のちに警察の捜査が入り、8階の通路に女の靴がそろえられ、コートが畳まれていた。そして女のそばにはコンビニで買ったラッピングしたクリスマスプレゼントの包が落ちていた。死者の名は此村華苗、もうすぐ結婚式を控えた幸せの絶頂にいるはずの女性だった。
それから1年後、間もなくクリスマスイヴというある日、ボアンに呼ばれたタックこと匠とタカチこと高瀬の2人。ボアンが出してきたのは、昨年自殺した華苗が持っていたクリスマスプレゼント。実はどさくさに紛れてしまって、持って帰ってしまったらしい。
それを華苗の遺族なり、婚約者なりに渡してほしいのだという。あっさりと引き受けたタカチは、さっそく新聞で調べて此村家へ向かったのだが…

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