解体諸因

書名の通り不可解な9つのバラバラ事件が探偵たちを悩ませる。

第一因「解体迅速」…全裸にされて自宅で首、胴体、両手、両足をバラバラにされた主婦。しかも両手両足は柱に手錠でかけられていた。一週間後に今度は女子大生がやはり自宅で柱に手錠でかけられ気絶させられていた。
そして女子大生の脇には恋人が包丁で腹を刺されて死んでいた。女子大生による男が突然忍び込んできて気絶させられたという。警察は、犯人が女子大生を殺そうとしたところに恋人が来たので犯人が慌てて恋人を刺殺して逃げ出したと考えたが…

第二因「解体信条」…恋に落ちた大学講師と女子大生。ところが講師と女子大生の母親同士が昔の恋敵で、昔戦いに敗れた講師の母親は結婚に猛反対。その講師の母親が、自宅の物置からバラバラ死体になって見つかった。
死因は青酸カリで、その死体は34個に切断されていて、指までバラバラにされているほど。犯人が死体を切断したのは被害者の家ではなく、どこか他のところであった。バラバラにしたのは電動鋸で、その鋸が女子大生の家にあるものだったから、女子大生の家族に疑いがかかったが…

第三因「解体昇降」…郊外にある8階建てのマンション。エレベーターは1基。そのエレベーターに8階から乗ったホステスの女。その女が乗った時に、8階の住人とその友達がエレベーターから降りてきてすれ違い、同時にいつも鳴る午後9時の消防署のサイレンが聞こえた。
サイレンが鳴った時に1階のエレベーターホールでは、4階に住む夫婦者が帰宅してエレベーターを待っていた。夫婦者はエレベーターの表示を見ていて、8階から1階までどこにも停まらなかったと証言。
そして、そのエレベーターが1階に着いて扉が開くと、中には女の死体が入っていた。その死体には、左腕と左脚、それに首がなく、その後なかった部分が7階と8階の間の階段の踊り場で発見された。
エレベーターが8階から1階に無停車で下りる時間はわずか16秒。その間に女はバラバラ死体になっていたのだった。

第四因「解体譲渡」…ゴミ収集日でもないのに大量のゴミを捨てにきたマンションの住人。それを見咎めて文句をいう、たまたまマンションに来ていた保険勧誘員。2人は言い争いになるが、住人が捨てたゴミ袋の中から同居していた女性のバラバラ死体が発見されたことから大騒ぎになった。住人は犯行を否認するが、警察はほかに容疑者がいないことから住人を逮捕した。
一方で、その日の午前中に近所の本屋で大量の成人雑誌を購入した中年の婦人がいた。それを聞いた辺見祐輔はその出来事がバラバラ事件と関係があるのではと推理…

第五因「解体守護」…高瀬千帆が家庭教師をしている家には、3人の子供がいた。一番上が長女で中学生、二番目が小学5年生ぐらいの次女、三番目が幼稚園に通う長男。次女と長男が二人きりで留守番をしているときに、長男の大事にしている熊のぬいぐるみの腕が、母親のハサミで切り取られるという事件が起きた。そして長女が大事にしているハンカチがなくなった。
翌日今度は誰もいない家に長女が帰って来ると、熊のぬいぐるみの腕に長女のハンカチが縛り付けて置いてあったが、そのハンカチには血の跡があった。切断されたぬいぐるみの腕と血の跡のあるハンカチの謎…

第六因「解体出途」…匠千暁が夜中の3時に見守るアパートの一室。そこから女のように小柄な人間が、段ボール箱を5つほど運び出しては車のトランクに積んで、やがて走り去った。 匠がアパートの部屋に入ってみると血痕と電気鋸が残されていた。匠は警察に連絡し、警察はバラバラ殺人事件として捜査を開始した。
やがて匠が見た段ボール箱が次々に見つかり、中からはアパートの部屋の住人のバラバラ死体が見つかった…

第七因「解体肖像」…街中に張り出された高層マンションのポスター。そのポスターのモデルになったレオタード姿の女子大生。ところが女子大生の顔の部分だけを切り取るという事件が発生した。顔を切り取られたポスターは貼りなおされたが、すぐに同じことが起きる。悪質ないたずらにモデルの女子大生は気味悪がって、ついに別のモデル無しのポスターが作られ貼り直されるのだが…

第八因「解体照応」 推理劇「スライド殺人事件…推理劇の形式を取った作品。首を切られた女性の死体が次々と発見される。しかも第一の被害者の首は、第二の殺人現場に第二の被害者の胴体と一緒にあった。第二の被害者の首は第三の被害者の胴体と一緒に、という風に首のスライドが行われる。
途中で犯人と思われる人物が浮ぶが捕まらず、7人目の犠牲者の首とともに犯人と目される人物は自殺を遂げた。しかし…

最終因「解体順路」…居酒屋で中越警部に声を掛けられた匠千暁。中越警部は2人の死体の首がすげ替えられた殺人事件の話をし、なぜ首がすげ替えられたか匠に意見を求めた。
これまでの解体事件が、いかにつながるのか…

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