宇宙神の不思議

「奇跡島の不思議」に続き、学生時代の水乃サトルが主人公となるシリーズ第2作で、奇跡島で出会った武田紫苑が恋人の小川宜子をサトルのところに連れてくることから物語が始まる。
宜子は3歳くらいの時に岡山県倉敷市の横山希望養護施設の玄関に置き去りにされ、施設で8ヶ月ほど保護されたあと、小川巧己、小夜子夫妻の養女になった。
宜子には施設の玄関で泣きじゃくっていた記憶はあるが、施設に来るまでの記憶はまったくなかった。
小川巧己夫妻に引き取られた宜子は、義理の両親に実の子供のように育てられたが、やがて父親の巧己が病死し、それにショックを受けたのか、その半年後に母小夜子は倉敷の実家で睡眠薬自殺した。宜子が看護学校に入り東京で暮らしている頃のことであった。
再び一人ぼっちになった宜子であったが、看護学校を卒業して宗教法人「天界神の会」に入会し、今は八王子にある「天界神の会」が経営する老人ホームで看護師として働いていた。

宜子は、やはり「天界神の会」の経営する病院の精神科医によって、失われた記憶を取り戻す治療を受け、その治療によって過去に何度か宇宙船に乗ったという記憶が甦っていた。
自宅から宇宙船に連れ込まれ、その中には見たこともないような器具や機械が並び、のっぺりした宇宙人が宜子の体をいじりまわして各種の実験を施した。体内に何かを埋め込んだこともあるらしい。
宜子からこの話を聞いた恋人の紫苑は、サトルに宜子を引き合わせてこの話をし、興味を持ったサトルは宜子の過去にあったことを探ることにした。
サトルは手始めに宜子が勤める老人ホームに出向き、宜子を通じて「天界神の会」の精神科医田名網博士に面会を求めた。
「天界神の会」に会の教義は宇宙人の存在を信じ、全ては宇宙神の支配下にあるというものだったが、信者も多く宗教法人としての評判もよかった。
田名網教授から話を聞き、「天界神の会」には宜子だけではなく、ほかにも宇宙人と会ったり、宇宙船に連れ込まれた体験をした人間がいるとも教えられた。
サトルたちはそれらの話も聞いて、宜子の過去を探りに宜子が子供時代をすごした倉敷に向った。そしてサトルたちは、倉敷で殺人事件に遭遇する…

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