軽井沢マジック

旅行代理店に勤務する水乃サトルと美並由加里の2人は、妙高のホテルに打合せのための出張に行った。
ホテルの社長は日野原義三郎、副社長は妻のみさえといい、打合せが済んで外出したホテルの社長の代わりにみさえ副社長に挨拶した2人は2人の義理の息子の専務に送られて妙高高原駅から特急あさま38号に乗った。
ところがあさま38号は踏切事故のために遅延し、軽井沢駅に30分遅れで到着し、運転見合わせとなった。
軽井沢には水乃の友人熊田夫妻の経営するペンションがあって、水乃と由加里は急遽列車を飛び降りてそのペンションに向かう。

翌日、ペンションの近くに住む作家麻羽幸之助が、自宅楡の木荘で殺されているのが見つかった。睡眠薬を飲みすぎての死だが、死体の両の眼球はどちらもスプーンで抉り取られて持ち去られていた。
水乃はかつていくつかの難事件を解決し、警察にも知己はあるが、基本的にはコミカルな人間で麻羽事件でもしゃしゃり出て警察の不興を買い、容疑者の有力候補となって事情聴取を受ける。
事情聴取の際に、水乃と由加里があさま38号に乗っていたことがわかると刑事の顔色が変わった。昨夜のあさま38号のグリーン車内では日野原義三郎の死体が発見されたのだ。
その死亡推定時刻が軽井沢駅前後であり、軽井沢で降りた水乃と由加里は思いっきり疑惑の渦中に投げ込まれたことになる。
さらに妙高高原のホテルでは日野原みさえの死体が見つかった。その死亡推定時刻も水乃たちがホテルを出た前後。日野原夫妻の死因はどちらも刺殺で、同じナイフを使ったものだった。
みさえを刺し殺した後で、ナイフを持った犯人はあさま38号に乗り込んで義三郎を刺殺したのだった。ナイフはそのまま義三郎の胸に突き立ったままだった。
あさま38号は乗客が少なく、軽井沢駅で下車したのは3人だけ。そのうち2人は水乃と由加里であり、もう1人は白いTシャツを着た女であったから、水乃と由加里は日野原夫妻と麻羽の3人を殺した凶悪犯扱いだった。

警察の捜査では日野原夫妻は軽井沢に本部がある新興宗教金色神宮教に最近のめりこんでいる事が判明。それを聞いた水乃は金色神宮教が日野原夫妻の死と関係があるのではと睨む。
その矢先に今度はルポライター柴田友禅が軽井沢の自宅の屋根の上に跨って殺されていた。首筋から毒を注射されたのだった。柴田は金色神宮教のお抱えライターであった。
水乃は金色神宮教の事件への関与を強く疑うが、警察は水乃を事件の重要容疑者として勾留してしまう。
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