六人の超音波科学者

愛知県の山奥にある土井忠雄博士の研究所でのパーティに招待された小鳥遊練無と瀬在丸紅子。2人は保呂草潤平の車で送られ、その車には香具山紫子も同乗していた。つまり仲の良いいつもメンバーで土井博士の研究所に向ったのである。
ところが研究所に着いて練無と紅子を送り届け、いざ帰ろうとすると車のバッテリーが上がり帰れなくなった。そこにやってきたのはテレビ局のスタッフ2名。研究所で土井博士の会見があるのだという。保呂草と紫子はなし崩し的にスタッフの手伝いをさせられた。
研究所には土井博士のほかに5人の科学者がいた。さらに田賀という名の執事と臨時雇いの家政婦が2人いた。招待されたのは練無と紅子のほかに日本超音波学会会長の奥村と事務長の竹本の4人、それからテレビ局のスタッフが2人、招待されたないのにいる保呂草と紫子、総勢8人が部外者として研究所にいた。
そこにもう一人が加わった。愛知県警の祖父江七夏刑事である。このころ研究所に通じる道路に架かる橋を爆破するとの予告電話が愛知県警本部に入った。イタズラだという判断が大勢だったが、確認のために何人かの警官が派遣された。そのなかに祖父江もいたのである。
祖父江刑事が一人で橋を渡り、研究所側に立った直後に橋が爆破されたのだった。道は研究所に通じるだけで、ほかには何もない。上流の橋に迂回するには3時間以上かかるし、まともな道はなく、地図もなかった。日は落ちてくるし、おまけに雨も降りだした。そこで祖父江刑事は道をあがって研究所に向かったのだ。
これで研究所に招かれざる人間が1人増えたほか、研究所は実質的に陸の孤島化してしまった。橋が落ちてしまったために電話線も切断され、電話も通じなくなった。そして事件が起きた。科学者のひとりスコット・ファラディ博士が自分の研究室で首を絞められて殺されたのだ。
それをきっかけに次々と事件が起きる。現場保存のために鍵をかけたファラディ博士の部屋のドアがいつの間にか開けられたり、研究所内を調べていた練無、紅子、祖父江の3人が無響室に閉じ込められガスをかがされたり、紫子やテレビ局のスタッフがワインに混入された睡眠薬で眠らされたり…そしてついには土井博士の首を斬り落された死体が見つかった。
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