恋恋蓮歩の演習

世界一周航路をいく豪華客船ヒミコに保呂草潤平と香具山紫子がカップルを装って乗船することになった。実は潤平は仲間にもほとんど内容を打ち明けずに、探偵の仕事をしていた。
那古野市の実業家であり資産家である鈴鹿家を監視するのが仕事の内容で、鈴鹿家の屋敷に隣接するマンションの一室に拠点を置き、鈴鹿家への人の出入りを見張っていた。その見張りの交代要員として助っ人に選ばれたのが紫子だった。
紫子が仕事の目的を聞いても潤平は頑として教えなかった。それどころか紫子にかん口令を敷いた。したがって潤平や紫子と同じ阿漕荘に住む、小鳥遊練無や近くに住む瀬在丸紅子も、彼ら2人がなにをしているかまったく知らなかった。
だが潤平が接触している人間から、潤平の目的が徐々に明らかになって行く。どうも鈴鹿家が落札した関根朔太という画家の自画像に関連があるらしい。
鈴鹿家の当主幸郎と息子の明寛は、朔太の自画像を密かにヒミコの乗船客であるフランスの大富豪クロウド・ボナパルトに法外な値段で売ろうとしているようだった。
潤平はその取引のために持ち出された絵を奪おうとしているようなのだ。潤平と紫子のヒミコへの乗船も、そのためであったが、もちろん紫子には知らされていなかった。
ところがヒミコには練無や紅子たちも潜り込んでしまい、おまけに出港してしばらくすると、銃声がして人が海に落ちたらしい。船内は混乱し、連絡を受けた海上保安庁の係員が出動し、愛知県警の刑事もヘリコプターで乗り込んできた。
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