あいにくの雨で

架空の町、京都府の田舎町原瀧が舞台。原瀧には廃墟となった不思議な塔が建っていた。原瀧の2つの集落、崖瓜と蒜田はもともと仲が悪かったが、その昔に仲直りの証として2つの集落に中間に建てられたものだった。
モニュメント的なものだから、中には1階と2階に部屋があり、階段がついているだけで他には何もなく、子供が入って遊ばないように扉はついていたが鍵はかけられていなかった。
その塔で8年ほど前に殺人事件があった。殺されたのは祐今の母で、殺したのは烏兎の父親と思われていた。祐今の両親は仲が悪く、事件直後に父親が失踪しているのが犯人と思われる最大の根拠だった。
しかし祐今の父親は見つからず、いつしか事件は風化していった。祐今は祖父とともに伯父夫妻に引き取られて育てられ、高校3年生になった。

祐今が高校3年の冬、初雪が原瀧に降ったその夜のことであった。祐今と親友で同級生の烏兎、獅子丸の3人は塔に向かっていた。
祐今が部屋の窓から塔に灯がついているのが見えたというのだ。祐今は獅子丸を誘い塔に行ってみると、積もった雪の上に塔に向った足跡が一筋だけついているという。
塔に誰かいるということで、ミステリの好きな烏兎を誘って3人で夜中の塔の探検ということになった。そして塔の中には死体が一つ転がっていた。
死体は最初浮浪者のものと考えられていたが、その後の警察の調べで、失踪していた祐今の父であることがわかった。塔にあったランプや食料から祐今の父は、数日前から塔に入って寝泊りしていたと考えられた。
いったい祐今の父は何故8年もたって危険を冒して原瀧に戻ってきたのだろうか。そして祐今の父を殺したのは誰?さらに塔の密室は…
謎が錯綜する事件に、烏兎と獅子丸は祐今の力になるべく事件の犯人を探ろうとするが…
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