幻獣遁走曲

猫に似た目つき、雰囲気、動きの猫丸先輩のアルバイト探偵ノート。珍獣の捜索隊員、ヒーローショーの怪人役、新薬治験と変ったアルバイトを勤める猫丸が、アルバイト中に遭遇した事件を解く。
猫の日の事件
キャットフード会社主催の野外での猫コンクール。参加自由ということもあり、開会前から自慢の猫を連れた飼主たちが押しかけていた。塀で囲まれた会場にはポツンとプレハブの建物が一棟あるだけで、あとは芝生。5部屋と洗面所で構成されたプレハブは、来賓と審査員の控え室に一室づつが充てられ残りは空き部屋。
来賓のキャットフード会社の大株主早崎夫人は、自慢の猫を連れてコンクールに参加すべく早くから控え室にいた。夫人の猫が粗相をしたためにタオルで拭き、その始末のために洗面所にいったわずかの隙に夫人の指輪が盗まれた。猫の粗相の始末をするために指輪をはずし控室のテーブルに置きっぱなしにしていたのだ。
プレハブの出入り口は2箇所。正面には猫丸が立番に立ち、裏口にはコンテストと参加者が3人立ち話をしていた。参加者の3人に誰か怪しいものは逃げてこなかったと聞くと誰も出てこないと…指輪泥棒は煙のように消えうせてしまった。

寝ていてください
新薬の臨床治験のアルバイトに集まった河原崎、春日田、木渡、猫丸の4人。2泊3日の予定で最初に検査と採血があって新薬を飲み、以後は時間ごとに採血と新薬を飲むことが繰り返される。あとはただ病室のベッドに寝ているだけ。ちなみに河原崎はこのバイトのベテランでほかの3人は始めてであった。
初日の昼食は抜きで、1時に木渡の採血と診察があった。次は1時40分に河原崎、2時に猫丸。そのあとに春日田が呼ばれたが、春日田はいつまで経っても帰ってこない。
その代りに看護婦が来て春日田のベッドを猛烈な勢いで片付け始めた。それが終わるとほかの3人に「春日田さんは急用で帰った」と告げて出て行ってしまった。残った3人は春日田の身に何かあったのかと心配をはじめたが…

幻獣遁走曲
幻の珍獣アカマダラタガマモドキを捜索し、生け捕りにするために集められたのは猫丸を含む12名。12名の雇い主兼現場の指揮官として、鬼軍曹とあだ名されたのは小川田という男。
湿地帯にキャンプを張り、まずは草刈から始めるが、その最中に積み上げた草が燃え出した。湿地帯だからくすぶる程度で小火にもならなかったが、その中から小川田がアカマダラタガマモドキ実在の証拠としている古い手紙が燃やされているのが見つかった。烈火のごとく怒った小川田はさっそく犯人探しを始めるが…

たたかえ、よりきり仮面
千葉のスーパーの屋上で、真夏の炎天下に行われるヒーローショー。主役はテレビでもあまり人気のないよりきり仮面だし、ずさんな構成のショーだから、暑さとも相俟って観客はまばら。猫丸をはじめ出演者達も身が入らない。
中で一人、連日毎回熱心にショーを見てくれる5歳くらいの男の子がいて、3人目に控え室に差し入れまでくれた。その直後に控え室の裏に陰干しされていたよりきり仮面の着ぐるみにガムが貼り付けられているのが見つかった。こんなイタズラをしたのは差し入れをしてくれたやさしい男の子しかいない状況だったが…

トレジャーハント・トラップ・トリップ
秘密の山の松茸狩りの案内人のアルバイトに雇われた猫丸。客として集まったのは武道家の老夫婦、病人としか思えない中年男、一戸建てを夢見るケチケチ夫婦の5人。
猫丸と客の5人は地図を頼りに秘密の山に分け入り、やがて無数の松茸を見つけて歓喜雀躍。全員で松茸を集めて、あとで全員で公平に山分けすることに意見が一致。
それぞれ集めては中継地点と称した場所に松茸を積み上げた。ところが日が落ちかけたころに中継地点の松茸が半分ほど減っていた。誰かが盗んだとメンバーの間には険悪な雰囲気が…


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