邪馬台国はどこですか?

表題作ほか6つの歴史ミステリ。ビルの地下一階にあるカウンター席だけのダイニングバー。バーテンの松永だけでやっている。そこに客としてくる美人だが気が強い、世界史専攻の某私立大学文学部助手早乙女静香とその師で文学部教授、日本古代史専攻の三谷敦彦、それに在野の歴史家で職業不詳の宮田六郎。
毎回宮田の持ち出す歴史上の新解釈に眉をひそめて反撃する静香、その様子を見つつ段々歴史に興味を覚えて教科書を読んで予習をする松永。
一般常識とされている歴史上の解釈に、別の角度から検討を加えて突飛な説を披露する宮田に、最初は威勢よく反撃する静香だが、博識な宮田の弁舌に徐々に反撃の矛先は鈍り、最後はとんでもない解釈をなんとなく受け入れてしまう3人。

悟りを開いたのはいつですか?…ブッダは悟りなど開いていない。そもそも悟りを開いたなら、その後に悟りを開くためにする禅定などしないはずだ。宮田の発言に早乙女静香は色をなしたが…
邪馬台国はどこですか?…表題作。九州説、畿内説に大きく分かれる邪馬台国の比定地。静香は九州説を採るが、宮田は九州でも畿内でもないと言い出して…
聖徳太子はだれですか?…静香と宮田の歴史対決第3回は聖徳太子。宮田は聖徳太子は実在の人物ではないと主張するが…
謀反の動機はなんですか?…明智光秀が織田信長を襲った本能寺の変。宮田は本能寺の変は光秀の謀反ではなく、ほかに理由があるのだ。それは信長自身に求めることができると言って静香と対立する…
維新が起きたのはなぜですか?…明治維新は一人の人間によって起こされた陰謀だったと宮田が言い始め、それに目を剥いた静香が反論を開始…
奇蹟はどのようになされたのですか?…イエス・キリスト復活の謎を宮田が解き明かすが、それは全世界を揺るがすような話であった。

表題作の「邪馬台国はどこですか?」は第3回創元推理短篇賞(1996年)に応募され、最終選考まで残った作品で、ほかの5篇を加えて1998年に出版された。

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