猫柳十一弦の後悔

大東亜帝国大学には探偵助手学部があった。日本有数の探偵が講師陣として在籍し、その探偵から直接学び、優秀な探偵助手を目指すのである。探偵助手学部2年生の君橋君人と月々守も優秀な助手を目指していた。
2人は猫柳十一玄のゼミに所属していた。猫柳は存在すら怪しいくらいの目立たない人物で、探偵としての知名度もなく、ゼミもまったく人気がなかった。2人も本来希望のゼミに入れず、予想外の形で猫柳ゼミに入ったのだ。もちろんゼミ生は2人だけだった。
その猫柳ゼミが、雪ノ下ゼミと共同で合宿を行うことになった。雪ノ下は警視総監賞を2回も受け、最近では犯罪の単位不可能犯罪定数を発表して注目を浴びている、不動の名探偵であった。
合宿の場所は孤島にある千年舘。千年舘は雪ノ下ゼミに所属する女子学生で、その父親は大企業の経営者だった。今回合宿に使用するのは、その父親が所有する島にある屋敷だった。普段は使用されていないが、父親の接待や別荘として時々利用されていた。
島自体も千年舘の父親個人の所有で、当日千年舘のクルーザーで一行は島に入った。上陸したのは雪ノ下以下の8名と猫柳以下3名の合わせて11名。ただ不気味なことに台風が接近しているらしかった。
そして雨風が激しくなってきた最初の夜、事件が起きた。立て続けに2人の死人が出たのだ。2人とも雪ノ下ゼミの学生で、ひとりは千年舘、もう一人は緒方という女子大生だった。
緒方は地下室で一酸化炭素中毒で死亡しており、千年舘は外の棺桶を模した箱の中で、胸に杭を打ち込まれて絶命していた。その体には夜光塗料が大量に掛けられていた。
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