猫柳十一弦の失敗

四方を山に囲まれた小さな稲木村には、蛇が身を投げたことから身投げの滝と呼ばれるようになった滝があり、その滝が稲木となまって村名にもなったといわれている。その村の名家後鑑家には古くからの言い伝えがあった。
後鑑家の娘は成人するまでに嫁がなければ、一族は村から追放されるというのだ。村には昔日照りに悩まされたときに、村名の由来にもなった蛇が滝に身を投げて雨を降らせたという龍姫伝説があって、後鑑家の言い伝えも龍姫伝説と関係するという。
さて後鑑家には4人の娘がいたが、長女の色葉が年頃になったたき、龍姫の名で脅迫状が舞い込んだ。例の言い伝えを守れとの脅迫だった。大騒ぎになり警察に届けたが、結局何も起こらなかった。その色葉は今も独身で、勝手気ままに絵を買いて過ごしていた。
二女の二帆の時も同じく脅迫状が来たが、この時も何も起こらず、三女の絵都のときも同じだった。二帆も絵都も独身で、二帆はパソコン三昧、絵都の方は完璧な引き籠りで家族でさえ顔を合わせることはないほど。
そして今四女の千莉がもうすぐ20歳になる時が来た。やはり同じように脅迫状が送られてきた。この話を聞いた大東亜帝国大学探偵助手学部で将来の探偵助手を目指すマモルこと月々守とクンクンこと君橋君人は、探偵の猫柳十一弦とともに千莉を守ることにする。
そしてマモルが編み出した方法とは、マモルと千莉が結婚する事。ところが千莉は満更でもなく、結婚を受け入れた。これで龍姫の脅迫からは逃れられるのだが、猫柳は千莉の姉3人には祟りに見せかけた事件が起きると予想する。
一方幸せなマモルと千莉は、千莉の誕生日に式をあげることになり、事前に稲木村に乗り込んで準備をすることになった。それに合わせ猫柳とクンクンは猫柳の知り合いが隣村でペンションを経営しているのに目をつけ、そこを拠点にマモルと連絡を取りつつ、陰ながら後鑑家の3人の女を保護することになった。
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