「クロック城」殺人事件

この作品はトリック解明が図解で示されています。読む前にページをめくるとトリックがわかってしまいます。

1999年が終わる頃、地球の30倍もある太陽黒点の影響で磁気嵐と地磁気が荒れ狂い、地球は終末期を迎えていた。「真夜中の鍵」がいなくなれば世界は終わってしまうという。
その世界で志乃見菜美とともにひっそりと探偵を営む南深騎は黒鴣瑠華の訪問を受ける。黒鴣瑠華はクロック城と呼ばれる館に住んでいて、そのクロック城に現れるスキップマンという幽霊を退治したというのだ。
クロック城は黒鴣瑠華の父親で遺伝子を研究する心史博士がフランスの古い館を移築したもので、満足な道すらない山奥に隠れるように建っていた。スキップマンはそのクロック城の中を跳梁し、壁には死者の顔が浮き出ているのだという。

クロック城は独立した館が3つ連なったような建物で、左側から未来の館、現在の館、過去の館と呼ばれていた。
それぞれの正面には巨大な時計が付けられていて、現在の館の時計は正確な時刻を示し、未来の館の正面の時計は10分先の時刻を、過去の館の正面の時計は10分前の時刻を示していた。
館の中は4階建てであり未来、現在、過去の建物はそれぞれ独立していて、階段もそれぞれについていた。ただし玄関は現在の館にしかついていなかった。
それぞれの館の間には壁があり現在の館のホールを通らない限り、それぞれの館の間は行き来できなかった。例えば未来の館の4階から過去の館の4階に行くには、未来の館の4階から階段を下り、現在の館のホールに出て過去の館に入り、過去の館の階段を上がって4階に行くというルートを取ることになる。
南深騎と志乃見菜美は黒鴣瑠華とともにクロック城につき、城に住人に紹介される。いずれも一筋縄ではいかない人間ばかりであった。
そしてその夜から首を切られた死体が過去の館、未来の館に相次いで現れ、さらに首だけが現在の館の4階に現れる。
その間現在の館のホールには常に人がおり、首や死体を持って互いの館を行き来したりすることは不可能だった。
クロック城自体も窓が極端に少なく、犯人はどうやって未来、現在、過去の館を行き来したのか…
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