ドッペルゲンガー宮

霧舎巧のデビュー作。ある大学のサークル「あかずの扉」研究会のメンバー一同が怪事件に挑む。「あかずの扉」研究会メンバーは会長の後動悟、自称名探偵鳴海雄一郎、どんな錠前も開けてしまう特技を持つ大前田丈、霊能力を持つ森咲枝、広報担当の由井広美、書記として入った新入生の二本松翔。

千葉県の流氷岬に建つゴシック建築の特徴である塔をいくつも持つ洋館流氷館。当主氷室流侃は引退した土地成金で、推理サークル「隣の部屋」の主宰者でもあった。
「隣の部屋」では流氷館に毎年一回集まって推理ゲームを行うが、昨年の推理ゲームの時にあわせて帰郷した流侃の孫娘で全寮制の女子高校生氷室涼香が、そのまま学校に戻らなくなった。
学校では担任教師が流氷館を訪れたが、そのときに「たすけて」と書かれたメモが流氷館の裏手を流れる川に浮いているのを見つけた。
教師は涼香の身に何かあったのではと流侃を問い詰めるが、門前払いに近い扱いを受けて流氷館を後にせざるを得なかった。流侃も涼香の捜索願を警察に出したが、2日後にはそれを取り下げるなど不審な行動も目立つ。教師はこれには何かあるに違いないと気をもんだが、具体的な行動は取れなかった。

1年後教師の許に流侃から今年の推理ゲームの招待状が届く。今年のゲームは涼香を探し出すことが目的で、涼香を探せたものには賞金百万円を出すと書かれていた。
教師は流氷館に行く決心をするが、出発前に知った「あかずの扉」研究会に相談する。「あかずの扉」研究会では取りあえず名探偵鳴海雄一郎が教師とともに流氷館に向った。
流氷館にはゲームに参加する「隣の部屋」面々3人と涼香の同級生2人、涼香の先輩中尾美鈴が集まった。流侃と「隣の部屋」の3人、同級生2人と担任教師、中尾、鳴海、それに流侃の秘書の沢木の総勢10名が集まって推理ゲームが開始された。
一方、そのころ鳴海を追ってほかの「あかずの扉」のメンバーが流氷館に急いでいた。霊感のある咲枝が鳴海の身を案じたのだ。
案の定、「あかずの扉」のメンバーが流氷館に着いたとき、メンバーはすでに流氷館から拉致されていた。そして流氷館の浴室には首のない男女の死体があった。
そのときに後動悟の携帯電話が鳴り鳴海から連絡が入る。鳴海たちは睡眠薬で眠らされて、その間に偽の流氷館に移されたらしい。
偽流氷館は、「あかずの扉」のメンバーがいる本物の流氷館と全く同じ間取りらしい。ただし窓は鉄板でふさがれ、灯りがなかった。
そして驚くことに偽流氷館の浴室には死体から切り落とされた首が2つ。その首は本物の流氷館にある死体の胴体から切られたものだった…
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