探偵の冬シャーロック・ホームズの絶望

明治時代に水呑百姓の家系から身を起こして、一代で巨万の富を築いた栗田仁右衛門の後裔にあたる兄弟の兄は、趣味の乗馬の最中に落馬して頭を打ち、自分がシャーロック・ホームズだと思い込んでしまった。
弟の方は精神科医で、兄の主治医でもあったが、兄の方は弟をワトスン博士だと信じていた。だから弟の方は、兄の前ではワトスンを演じることにしていた。
そんな兄のもとにはいくつか奇妙な事件が舞い込んだ。たとえば禿頭の男50人が集められて入会させられた光頭倶楽部。50人の禿げ頭の男たちは厳しい審査を経て、毎朝バスに乗って岬まで行き、一斉に海に向かって頭を下げる儀式をし日当をもらっていた。
いったい誰が何の目的で光頭倶楽部などといういかがわしい団体を作り、金をかけてわけのわからない儀式を毎朝行うのだろうか。赤毛連盟事件は1人の赤毛の男がターゲットだったが、光頭倶楽部は50人だ。
また高台の公園には夜になると光る物体が空中を飛ぶという奇怪な現象が起きた。その光る物体の正体は何なのか。そしてそれらの事件の背後には巨額の不正融資が絡んで、多くの逮捕者を出した森谷産業事件が絡んでいるようだったが…
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