復讐者の棺

櫻藍女子学院高校ミステリイ研究会の御薗ミリアと相川ユカ、特別顧問の石崎幸二、それにほかの事件で3人と知り合った同じ櫻藍女子高生徒の深月仁美の4人はKONO堂専務の河野香織の招待で、伊豆にある出水島に向かった。
KONO堂はもともと河野ストアというスーパーマーケットが前身で、香織の父圭一が社長だった。ところが10年前に河野ストア本店に強盗が押入り、圭一を監禁して金庫から大金を盗もうとした。
圭一は頑としてダイアルのナンバーを教えず、圭一は全身に暴行を受け、さらに最後は顔を商品のバーナーで焼かれ、それがショックとなって死んでしまった。
このショッキングな事件は、翌朝出勤してきた従業員によって発見され、ただちに警察の捜査が開始されたが、手がかりが少ない上に目撃情報も皆無で、10年後の今日まで容疑者の特定すら出来ていなかった。
すでに特別捜査本部も解散していたが、警視庁刑事の斉藤瞳は新人のころにこの事件の担当だったこともあり、事件を気にかけていた。
そして父を殺された香織、さらにKONO堂のチーフマネージャーで圭一社長に恩がある辻野宏らも犯人の逮捕に執念を燃やしていた。一方、KONO堂社長で圭一の弟の誠二は年齢的な面から引退を考えていた。
その誠二が引退前の最後の事業としてリゾート進出掲げて、伊豆のホテルとテーマパークを買い取った。ホテルの方は経営が順調で問題なかったが、テーマパークの方は建設途上で中止されたまま放置され、建設したとしても採算が合わないと考えられていた。

そのテーマパークがあるのが出水島だった。RPGのようなテーマパークが考えられていたようで、島には塔や城などが作られていたが、誰が考えても成功するとは思えなかった。
斉藤刑事を通じて香織と知り合った石崎たち4人が招待されたのも、パークのモニターとしてであった。島には香織や辻野のほかに、香織の妹で常務の佳奈美、KONO堂社員の速見、多田、赤岡、窪、塚越の5人がいた。
いずれもテーマパークのプロジェクトチームのメンバーだった。誠二社長はテーマパークを作るのが夢であり、何としてもある程度は成功させたかったのだ。
ところが石崎たちが島に入り、送ってきた船がいなくなった途端に、仁美が誘拐された。さらに復讐者となのる人物から、仁美の誘拐と外部との連絡を禁止する手紙が…
そして次々とKONO堂の従業員が殺されていく。いずれも顔を焼かれ、死体のそばには復讐者からメッセージが置かれていた。
そのメッセージには、「復讐として正義の鉄槌を下した。己の行った罪と同じ苦しみの炎に焼かれ地獄に陥ちるがいい」と書かれていた。
まさにメッセージは10年前に顔を焼かれて殺された圭一社長のことを言っているのだが…

島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -