塔の断章

ソゴウ出版では辰巳まるみの小説「機械の森」をゲームにするプロジェクトととしてソフトウエア企画部を発足させた。手塚部長以下平田、三条、西野、松浦の4人の部員のほかに、原作者の辰巳と助っ人として天童を外部招へいしプロジェクトリーダーに据えた。
それに社長令嬢の十河香織がイラストレーターとして加入した。ゲーム化の進捗は比較的スムーズで、やがて夏休みの時期に入った。香織の提案でメンバー有志で姫神湖畔にある十河家の別荘に行くことになった。
手塚と平田は不参加で三条、西野、松浦、天童、辰巳、香織の6人が別荘に向かったが、別荘には香織の兄で会社幹部の秀一と秀一の友人大磯がいて、都合8人が別荘に滞在するメンバーだった。
別荘に3階建ての塔が付属していた。香織が湖を見渡せるようにと希望して建てられたものだった。最初の夜、バーベキューパーティを終え、天童を除く7人が塔に登り、ビールを飲みながら談笑した。
香織が塔から墜落死したのは、その後のことだった。目撃者はおらず音を聞いた者もいなかった。したがって香織が無残な姿で発見されたのは翌朝のことだった。自殺なのだろうか。
警察の調べで香織は妊娠していたことがわかる。秀一は妹の死に納得がいかず、天童に関係者の調査を頼み、辰巳にはその内容を書き物にして提出するように求めた。
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