i(アイ)

鏡に消えた殺人者の副題がつく。
啓文社主催の日本ミステリー大賞を受賞した砂村悦子。受賞後第1作となる短篇を依頼したが、悦子はその締め切りの日に殺されているのが見つかった。
悦子は母親と夫と3人で暮らしていたが、受賞したのを機に中野にマンションを買って仕事場にしていた。悦子の死体が見つかったのは、その仕事場にしていたマンションの部屋だった。
死体発見の経緯は、こうだった。悦子の担当編集者的場武彦は、夏の暑い中、喫茶店で悦子と待ち合わせていた。悦子の受賞後第1作の短篇の原稿を貰うためだった。
ところが待てど暮らせど悦子は来ず、たまらず悦子のところに電話をすると、悦子は締め切りは明日だという。

仕方なく翌日出直してきて再び喫茶店で悦子を待つ的場。ところが、この日も悦子はいつまで待っても現れない。電話をしても誰も出ない。
的場は思い余って悦子の仕事場のマンションに向う。するとマンションの入口で悦子の母充子と出合った。的場は充子に事情を話し、充子の持っている合鍵で悦子の部屋に入った。そこで絶命している悦子を発見した。
悦子は胸を包丁で刺され、大量の血を流して死んでいたが、絨毯の上に殺人者が履いていた思われるスリッパの跡があった。裏に血のついたスリッパで歩いたらしい。
しかし、その足跡は壁に立てかけられた姿見の前で終わっていた。まるで殺人者が鏡の中に吸い込まれていったように…
島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -