真っ暗な夜明け

第15回メフィスト賞受賞作品。
推理作家志望の氷川透、杉並区役所勤務和泉吾朗、銀行員久我宏介、女子校教師池上紳一、大学院生松原俊太郎、パソコンメーカ勤務堀池冴子、出版社勤務早野詩緒里の7名は大学時代バンドを組んでいた。
その夜、和泉の呼びかけで地下鉄M線の支線の終点杉並駅の近くの店に、久しぶりにメンバーが集まって酒を飲んだ。その席にゲストとして和泉の同僚藤雅樹と久我の恋人渋谷果寿美が加わり、飲み会は9名で終電間際まで続いた。
9名は支線の終電に乗るために杉並駅に向い、途中で地元の藤が別れ、駅の改札口でやはり地元に住む和泉が別れた。
ほかの7名は切符を買い、自動改札を抜けて駅構内に入っていった。改札会には売店や公衆電話、休息所、トイレがあり、その先に地下ホームに下りる階段がある。
酒に酔った一行は三々五々階段を下りホームに立ったが、終電までは15分もあった。ここから皆はトイレに行ったり、改札付近に戻って立ち話をしたり、いろいろな行動をとり出す。
そして終電の発車2分前に男性トイレに入った松原が、個室の中で死んでいる和泉の死体を発見した。

事件は直ちに駅員に通報され大騒ぎとなり、警察が駆けつけてきた。さっそく現場検証、事情聴取が始まるが、終電に乗る予定だったのはバンドのメンバー7名だけであった。
和泉は杉並駅の休息室に飾ってあったブロンズ像の台座で殴り殺されていたが、なぜ凶器に相応しいブロンズ像ではなく台座なんかを使ったのか?
また改札で7名を見送って自宅に帰ったはずの和泉が、なぜ再び駅に戻り、しかもトイレに入ったのか?さらに改札口付近には氷川と早野がずっと立ち話をしていたが、その間に犯人も被害者も改札を出入りしていないのは明らかであった。
犯人は氷川たちが改札口付近に立つ前のわずかな隙に和泉を殺し逃走したのか、それとも7名の中に犯人がいるのか?警察は犯人は7名の中にいると疑いを抱くのだが…
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