学ばない探偵たちの学園

鯉ヶ窪学園に建つプレハブの仮校舎には音楽室、美術室、保健室が並んでいた。ある日の夜7時過ぎ、その保健室のベッドの上に死体が横たわっていた。発見されたとき、保健室の入口にはカバン錠がかけられていて、ガラス越しに見ると血を大量に流した学生服姿の男がうつぶせになっていたのだ。
発見者は鯉ヶ窪学園の非公認クラブである探偵部の多摩川部長と八ツ橋、赤坂の3人に用務員の堀内、それに音楽教師の小松崎律子の5人。カバン錠を開けて室内に入り死体を仰向けてみると、胸には深々と千枚通しが突き立っていた。
保健室の窓はあいていたが、外の地面は雨でぬかるみ、そこに足跡は全く残っていなかった。後に判明したのだが、死体の主は偽に学生で、本職は盗撮専門のカメラマン田所健治であった。
田所は学校に忍び込んで、鯉ヶ窪学園にある芸能コースに通う女性アイドルを盗み撮りしようとしていた。過去にも同種の事件があり、トラブルにもなっていた。学校も警戒はしていたが、今回はそのカメラマンが殺されてしまったのだ。
学園は混乱に陥り、授業の自習に切り替えられた。探偵部はここぞとばかりに意気込むが、まったくの力不足。そのうちに第二の事件が起きてしまった。音楽教師の小松崎が自宅のアパートの部屋で殺されたのだ。
今度は探偵部が喜びそうな密室で、喉を掻き切られて死んでいた。死体の側には田所が持っていたとデジタルカメラが置かれていた。探偵部は殺人とにらむが、警察は田所を殺した小松崎が自殺をしたとし、事件は解決したかのようだった。
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